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これは困った!と思いながらも、他の者達が来るまでに時間があったので、この状況下での釣りがどんなものか試しに何回か投げてみた。 ところが、釣り糸に抵抗はあるものの、釣り糸が横に流されることもなく、予想に反して以外にも釣りやすかった。これなら大丈夫!と思い、皆が来るのを待った。まずは、予定開始時刻どおりに本田、マラさん夫妻が到着。その5分後ぐらいに、和光と前回覇者であるキング大田が到着した。高杉さんと、末永さんは用事があって遅れるということだったので、2人を待つことなく、ほぼ予定開始時刻どおりにイカ釣りを始めた。 釣り始めてから、しばらくは何のアクションもなかったが、開始から1時間ほど経ってからアクションがあった。キング大田が、エギを底に根がかりさせたと思い、それを無理やりひっこぬいたところ、エギにちぎれたタコの足が付いていたのである。私達が行っているのは、イカ釣りであるからして、タコは外道であるのだが、この時は誰一人として、当たりも何もなかったので、このことには全員がどよめいた。釣れなくても何かやってくれるとは、さすがは、前回覇者のキング大田である。
しかし、前回に引き続き、今回もタコを釣り上げるとは!和光はタコキングと呼んでもいいかもしれない。まあ、本人はイカを釣りたがっているので、そう呼ばれても嬉しくはないだろうが。開始してから3時間近くにもなると、全員、さすがに同じ場所での釣りにも飽きてきたようだった。
私達から遅れて、家族連れのイカ釣りと思われる人が来た以外は、釣り人を見かけることはなかった。前大会の時から、「今年は良くない。」とか、「今年は釣れない。」などと、他の釣り人に聞いていたのだが、もしかすると、それが釣りに来る人達の足を止めているのだろうか。 でも、実際に釣った人の獲物をこの目で見ているのだから、湾の中に桔梗がいることは間違いない。それも、最低でも何十匹かはいるはず。要は、釣れる確立が低いとか、殆ど釣れないとかいうことは関係ないのだ。男は、そこに獲物がいると分かったら、海に向かって、ただ竿を振るのみである。そう思い、桔梗を釣り上げることを夢見て竿を振った。
しかし、今度は10投もできなくなっている。仕方ないので、また休憩する。休憩中はまた同じことをする。そうして気が済むと、竿を振る、今度は更に振る回数が減っている。つまり、休憩する度に、集中力が落ちて、どんどん竿を振れなくなっているのだ。 そうなるのも無理はなかった。イカ釣りを始めてから釣れるのは藻ばかりで、当たりらしい当りもなかったし、他の誰もが釣れる気配さえなかったからだ。始めてから4時間も何のアクションもなし。もう、これは情熱があるとか無いとかの問題ではなかった。そんなに長時間、何のアクションも無かったら、釣りに飽きて当然であろう。 これは良くない!と判断した私は、午後21時過ぎに、予定より早く、午後22時には大会を締めることを皆に告げた。あと1時間で大会を締めることを聞いた参加者達は、最後の踏ん張りとばかりに、それまでにも増して集中して竿を振るが、やはり当たりはなかった。 このままでは、外道ではあるが、真ダコを釣った和光が優勝してしまうと思うと、私が優勝してキングの座に帰り咲くことなんてどうでも良くなった。とにかく、誰が優勝しても構わないので、甲イカでも何でもいいから、とにかく「イカ」と呼ばれるものを釣って欲しかった。 イカ釣り大会では、イカを釣った奴が優勝しなければならない。和光には悪いが、イカ釣り大会でタコを釣った奴が優勝してはいけない。和光だって優勝したところで、納得はしないだろう。何故なら、これはイカ釣り大会なのだから。
2位は、外道ではあるが、一応は獲物を釣り上げたということで和光が。3位は携帯電話にダウンロードした北斗の拳BBモードで、コインの最高枚数を叩きだしたマラさんに決まった。 それにしても、優勝が小型の剣先イカで、2位がタコで、3位がコインの獲得枚数で決まるとは、おっそろしくレベルの低い大会である。次回大会では、イカを釣った数や重さで順位を決めたいものである。
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