新春寒稽古 2006

カテゴリ
 ANOTHER
開催日
2006年01月03日()

小野を説得するのには、苦労した。昨年の寒稽古のガリガリ君で懲りたのか、どうしてもなかなか首を縦に振らない。小野を説得すること何回かは忘れたが、結局はあることがダメ押しとなって小野の参加が決まった。だが、小野の参加が決まりはしたが、アホの末は正月そうそう仕事で欠席、パゲは家族サービスで欠席、山ちゃんも仕事で欠席と、レギュラー陣の大量欠席である。 寒稽古は極端な話、2人でも行う。しかし、2人では寂しいし、どうせ冷たい思いをしなければならないのであれば、人数は多い方が良い。人数が多ければ冷たさが和らぐという訳でもないが、他の奴等も同じ冷たい思いをしていると思うと、気も紛れるのではないか。そして、何よりも人数が多いと、賑やかで良い。やるからには楽しくやりたいのだ。

そんな私の気持ちが天に届いたのか、寒稽古直前にマラさん、タクジ、うえちんの参加が決まった。そして、以前から参加を約束していた山口市の荒法師さんも来ていただけた。人数的には昨年より1人減ったが、これで、どうにか賑やかに寒稽古を行えることとなった。

060103_1020気温は5℃。昨年よりは気温が高いものの、海側から吹きつける強風で、体感温度は昨年よりも低く感じる。風で荷物が飛ばされるので、砂浜で着替えることができず、砂浜の入口で着替えるという異例の事態になってしまった。だが、着替える場所が変わっただけで、寒稽古を行うのには何の支障もない。雪が降るぐらいに寒くなってくれれば良いと考えていた私にとっては、強風だけでは物足りないぐらいである。

060103_1021服を脱いで裸になるや、「うひょおっ~!」「おひょおっ~!」とか、活字にしにくい寄声をあげている塾生達の尻を叩いて砂浜に行かせる。いきなり海に入っては、心臓マヒを起こす可能性があるので、まずは入念な準備運動から始める。

060103_1024_01他の4人はランニングを始めたが、私とうえちんとタクジは昨年と同じく相撲をとることにした。まずは、タクジに胸を貸す。タクジは何度もラグビー仕込みの低空タックルでむかってくるが、タックルに往年の切れがないのと、体力が落ちているため、いとも容易くタックルを捌くことができた。

060103_1028そして次はうえちんである。山口県の高校柔道チャンピオンだったとはいえ、体重差は25㎏以上あるし、パワーも私の方が上である。おまけに柔道着のない裸での相撲ということで、これは余裕だと思ったのだが、結果は違った。見事な足捌きと体捌きで、連続で転がされたのである。「う~ん!」さすが、柔道チャンピオンと唸ってしまったが、ここは負けず嫌いな私のこと、足を取ればどうにかなるだろうと思い、取っ組み合ってから片足を取り、すくい上げてから倒してやった。してやったりと言いたいところだが、これが柔道ならば何回やっても結果は同じだったことだろう。

060103_1030_00体が暖まったところで、円陣を組んで「いくぞぉっ!」と、声を出して気合いを入れる。全員なかなか、気合いの入った声を出していたから、これは気合いの入った寒稽古が期待できるかと思いきや、違った。あまりもの水の冷たさからか、膝まで浸かったところで前進がストップしてしまったのである。

060103_1031確かに、水は昨年よりも断然冷たい。冷たいというよりは、痛いと言ったほうが適切な表現かもしれない。寒稽古歴10回を数えるこの私でさえ、この海水の冷たさにはたじろいでしまうほどだった。しかし、ここで歩みを止めるわけにはいかない。これを人生で例えるならば、これから先に待ち受ける艱難辛苦の出来事に例えられるだろう。どんな艱難辛苦な出来事があろうとも、それを越えて行かなければ、人生を先に進めることはできない。仮にそれを避けて生きることはできても、漢への道からは遠ざかってしまうのだ。漢は決めたら、前に進むのみ!塾生達に「もっと前に進め~!」と声をかけて、とりあえずは胸のあたりのところまで進む。

060103_1032_02ここで、全員で円陣を組み、首まで海水に浸かって1人づつ10ほど数を数える。早く海から上がりたいからか、数えるペースが速くなっているように感じたが、とりあえずは7人全員が数えるのを終えた。これで、終わりとばかりに塾生達が海から上がろうとしたが、そこで私が待った!をかけた。たかが70秒数えただけで海から上がっては寒稽古にはならない。寒稽古の本番はこれからなのである。もう一度、円陣を組み直し、今度は、般若心経を全員で唱えることにした。四国八十八ヶ所遍路の時は、超高速で唱えていたが、ここでは違う。いつもの何分の一ものスローテンポで唱える。おまけに、唱えながら、徐々に沖へ沖へと、皆を誘導して行く。塾生達もだんだん深くなってきていることに気付いたのか、私に逆らって岸の方へバックしようするので、私もムキになって沖の方へ誘導する足運びに力を込める。結局、私が勝って、首まで水に浸かる深さのところまで、皆を誘導することができた。

060103_1032_03般若心経を唱える間、うえちんとタクジは、あまりもの冷たさからか、顔面蒼白で、特にうえちんは唇が紫色になって、海の中でもガタガタ震えていた。勿論、小野とマラさんも顔面蒼白である。この4人とは対照的に余裕をかまして落ちつきはらっていたのが、荒法師さんと藤原さんである。藤原さんは、今回で寒稽古も4回を数えるベテランであるからそれも当然のことかもしれないが、今回初参加の荒法師さんが落ち着いていたのは驚きだった。荒法師さんは、空手をやっておられるそうで、さすが武道をされているだけのことはあると感じた次第である。

スローな般若心経も3分足らずで終え、次はもっと長い観音経を唱えようとしたのだが、うえちんとタクジが死後硬直状態に近いくらい海水の冷たさで硬直しており、あと1分も浸かっていたら心臓が止まりそうな状態だったので、観音経の読経は断念し、海から上がることにした。

060103_1037それにしても、荒法師さんと藤原さんを除く塾生どものうるさいこと。「うわぁ!」「ぎゃあ!」「うっひょお~!」とか言いながら、走って海から上がって行った。ギャアギャア騒ぐだけでも、漢としては失格だが、こいつらは、塾長の私や、先輩の藤原さん、遠くからわざわざ来られた荒法師さんよりも先に海から上がって、恥ずかしいとは思わないのだろうか!寒いのは分かる。だが、自分のことに精一杯で、他者への気遣いが足りないことはいただけない。やはり、まだまだである。

060103_1038私が、砂浜の入口まで戻ると、うえちんやタクジは既に腹を着ていた。特にうえちんは、何枚も着込んでいたので、私はすぐに一喝した。「何やその格好は!まだ、寒稽古は終わってないんど!締めのアイスがあるんど!すぐに脱げ!」と。そう言って、服を脱がせ、1人1人にアイスを渡した。今年は、昨年のガリガリ君に変わってハーゲンダッツである。値段も4倍以上違う高級アイスだ。塾長からのお年玉である。少し無理をしたが、塾生が喜んでくれれば、食うのに手こずってくれれば無理をした甲斐もあったというもの。

060103_1039が、「さあ、味わって食おうぜ!」と言って、フタを開けたら、思っていたのと勝手が違った。外に長い間置いていたから、少し溶けて、食べやすい軟らかさになっていたのである。カチカチに固まって、スプーンもささらないような食いにくさを期待していたので、ガックリしてしまった。それでも、ここでは食いにくいアイスであることに間違いなく、私はリッチミルク味の芳醇なミルクの味を「さすがはハーゲンダッツ!」と、味わいつつ完食。荒法師さんも藤原さんも、あっという間に間食。小野は昨年、私の見てないところでガリガリ君を捨てたらしいので、私の監視するもと完食。タクジとマラさんもガタガタ震えながらもどうにか完食した。

060103_1040_02皆が次々と完食する中、問題はうえちんであった。手が震えすぎて、スプーンでアイスをすくうことができないらしいのだ。実際、震えで手の自由が効かないのか、何度もカップにスプーンを空振っていた。うえちんは、体脂肪率が少ないからとか、寒さに弱いからとか言って言い訳をしていたが、私に言わせればそれは違う。要は根性がないのだ。日頃からパチンコやエロビデオ、出会い系サイトばかりにうつつを抜かしているからダメなのである。もっと嫁さんを大事にしたらどうだ?自分の欲望よりも、3人の可愛い子供のことを優先させたらどうだ?もっと親孝行したらどうだ?根性の無さも、全ては日頃の行いの悪さからきているのだ。柔道で高校チャンピオンにまでなるほどの男なのだから、この寒稽古を生まれ変わるきっかけにしてもらいたいものだ。性根までは腐ってないはずだから、それは可能なはずだと思う。ともあれ、今回の寒稽古のリアクション大賞はうえちんである。

060103_1049今回もどうにか死人を出さずに無事、寒稽古を終えることができた。アイスのチョイス、新しいメニューを加えられなかったことなど、反省点もあるが、荒法師さんやマラさんといった初参加者の頑張りもあって、どうにか合格点をつけられるものになったようには思う。

うえちんは言っていた。「こんなことやって何になるん?良い経験になったと言うんなら、一回やれば十分やろ!」と。確かに、そう思うのも無理はない。が、それは違う。確かにこれをやったからといって、根性がつくわけでも精神力が強くなるわけでもない。寒稽古をやったくらいで、そういうものがつくのであれば、誰でもやる。では、何のためにやるのか?寒稽古をやったら何かあるのか?との問いに私は答えられない。あるかもしれないし、ないかもしれない。もしかしたらない方が圧倒的に多いかもしれない。しかし、それでもやるのだ。何かを得ようとしてやるわけではないのだ。そこに海があるからやる、寒いからやる、バカらしいことだからこそやる、人がやりたがらないからやるのである。

漢塾のイベントに理屈や理由は要らない。漢はただ黙って、やるのみなのだ。とにかく毎年1月3日がきたらやるのだ。 全員、毎年1月3日は空けておくこと!来年は、大雪が降りますように!

開催状況
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参加者

今年は、県下から7名が参加

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ウォームアップ?

体を動かして体を暖めるのではなく、寒さを紛らわす。

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応援団

かずみつくんも参加。来年も参加してくれるだろう。

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荒法師さん

このサイトで知り合った荒法師さん。小郡からわざわざ参加していただいた。感謝!

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温泉

菊ヶ浜沿いにあるハートピア萩で温泉に入る。
心も体もあったまる。


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