第12回山口県アームレスリング選手権大会 参加

カテゴリ
 ARMWRESTLING
開催日
2006年06月25日()

やる気は満々だったんだがなあ~・・・。

朝から激しく降る雨を見ていると、前日ぐらいからあったほど良い緊張感とは逆に、モチベーションが落ちつつあるのが分かった。やはり雨はよくない・・・。この日は、アームレスリングの県大会の開催日。一昨年は、私事で出場できなかった。昨年は、大好きなバンドのコンサートに行ったために出場しなかった。そして、三度目の正直である今年。

大会に出場すべく、この日のために照準を合わせてトレーニングを行ってきた。筋トレでは、数値を飛躍的に伸ばし、一年前から仲間内で実戦練習もするようになった。間違いなく、最後に大会に出場した3年前よりは私のパワーは、数段アップしているはずなのだが、誰かに師事してやるでもなく、我流でやりたいようにやっていただけなので、技術的な不安は拭えなかった。

吊ってくる相手に対しての対処の仕方とか、手の握り方とか・・・、大会当日にそんなことを考えること事態、「今まで何をやってきたの?」と言われそうなのだが、事実そういうことを全くやってないのだから仕方がない。

野中塾長のセミナーを受講してからが、本当のアームレスリング歴の始まりと考えると、アームレスリング歴わずか1ヶ月となり、経験の浅さから、これまた不安を抱えるようになる。となると、私が依るものといえば、筋トレで培ったパワーぐらいしかない。でも、私のパワーなんてたかが知れているし、それにまず、パワー勝負になんて、ならないことは、過去に出場した大会で経験済みである。結局、私が依るものなんて無いのだという結論に達し、「細かいことなど考えないで、とにかく全力でぶつかろう!」と、居直りにも似た考えに切り替えたのだった。

もともと大会に出場するつもりはなく、パチンコへ行くつもりだった、うえちんを無理矢理誘い、アホの末と3人で、一路大会会場である長門市のWAVEへ向かった。しかし、このうえちんという男、パチンコには10万単位の金を平気で注ぎ込んだり、普段はよく奢ってくれるくせに、ガソリンの残量メーターの目盛りが一つ減るごとに「あっ!また目盛りが一つ減った!俺の車、燃費悪い~!」など、すごく細かいことを言う。そんなに燃費が気になるなら、そんな燃費の悪い車を買わなければいいのにと思うのだが。本当はケチなのか、それとも太っ腹なのか良く分からない男である。でも、それがこのうえちんという男の面白いところではある。

会場へ着くと、既にたくさんの出場者で賑わっていた。漢塾アームレスリング大会の常連もたくさんいたし、見慣れない参加者もたくさんいた。受付を済ませ、ボードに並んだ出場者の名前を見て驚いた。全国大会の常連や、山口県のアームレスリングを支えてきた方々の名前がずらっと並んでいたのだ。ここまで豪華なメンツとは思わなかったから、正直驚いた。

それと同時に私の出場する大会の最重量級である75㎏超級のメンツを見て更に驚いた。6人しか人数はいないものの、全国大会経験者が3人、県大会の2位と3位の入賞者が2人と、私を除いては猛者ばかりで、弱い人は1人もいない。(ちなみに私は県大会は初出場である。)

これは、下手しなくても一勝もできないかも?と、かなり弱気になった。しかし、私は漢塾塾長。いくら私が実力が無いとは言っても、公衆の面前で情けない姿を晒す訳にはいかない。ここは、漢を見せるような闘いをしなければと、弱気になった自分をとにかく叱咤し続けた。

短い主催者の挨拶が終わると、新人戦から試合が始まった。漢塾のうえちんは、ここにエントリーしている。残念ながら、私は他の参加者と話をしていて、うえちんの記念すべき一勝を見逃してしまった。だが、2回戦はうえちんの勇姿を見ようと、緊張の一瞬を固唾をのんで見守った。

060625_1339_00「レディー、ゴー!」の審判の掛け声で、吊ってくる相手を止め、うえちんが反撃を開始しようとした瞬間、審判が試合を止めた。どうやら、肘が浮いてしまったらしく、うえちんは反則負けになってしまった。

うえちんは、このことに対して、「絶対に肘は浮いてなかったぞ!」と文句を連発した。私が見ている方向からは、その状態を確認することはできなかったので、これについてどうのこうのは言えない。まあ、うえちんにとっては運が悪かったと言うしかないだろう。

後味の悪い結果になってしまったが、審判の言うことは絶対なので、うえちんには結果を素直に受け止め、今後精進していってもらいたい。うえちんには強くなれる可能性があると思う。

その後、レフトハンドの65㎏級で全国2位の村田和成君や、全国大会でもレフトハンド、ライトハンドともに、常に上位に入賞し、誰からも一目置かれる田村さんの我々とは次元の違う強さに驚かされ、また、漢塾アームレスリング大会の常連である師井君や山本君、村田君のお弟子さんの活躍を楽しみながらも、時間は過ぎ、待ちに待った私の出番がきた。

受付をしてから3時間半余り。人の試合を見るのも楽しかったが、やはり待ち疲れたというのが本音であった。

対戦相手はクジで決める。6人のうち勝った3人で、まずは順位を決め、その時点で3位の者と敗者復活で勝ち上がってきた者とが対戦して勝った方が決勝に進み、2位の者と対戦して勝った方が1位の者と対戦し、勝った方が優勝という、ややこしい方式である。この方式についてはどうでもいいと思ったし、対戦相手も誰とでも良かった。

まずは初戦突破することだけを考えていた。緊張しながらクジを引くと、対戦相手は全国大会に何度も出場したことのある中司君だった。実力からすると、向こうの方が確実に上だが、私にだって勝つ可能性は十分にある。

私の試合は、3番目なので、人の試合を見ることなく、アホの末に正拳突きを胸に入れてもらったりしてテンションを高めた。

前の2試合とも大して時間がかからなかったので、私の出番はすぐにきた。観客席より高い壇上に立つと、不思議と気分は落ち着いた。会場に入った時からあった緊張感はもう無かった。

060625_1521まずは礼をしてお互いの親指を合わせる。相手は本当にこれで大丈夫かと思うぐらい軽く握ってきた。思いっきり強く握ってやろうかと思ったが、どうしたらいのか分からないので、相手に合わせて軽く握った。手首の曲がり等を調整し、お互いの用意ができたところで審判の掛け声を待つ。

「レディー~」・・「ゴーッ!」の声を聞いて腕に力を込めた。が、私の出だしは遅く、あっという間にパットの近くまで手を持っていかれた。が、しかし、幸いにも手首を相手の手首にからめることができたので、ここからは力勝負になった。相手が力が弱くなったのかもしれないが、苦もなく相手側のパットに相手の手を付けることができた。とりあえず、私の勝利が決まった。

手首をからめることができなかったら、間違いなく私の手がパットについていたので、まぐれの勝利と言えるのだが、力勝負で勝てたということは嬉しかったし、村田君達が応援してくれたのも嬉しかった。これでとりあえずは、一勝できた訳だが、私に休む暇はなく、引き続き勝った者同志で順位を決めるため、そのまま壇上に残って、まずは村岡君と対戦することになった。

村岡君は昨年のこの階級の準優勝者であり、また、昨年の10月のトラック綱引き大会の後にやった3本勝負で1-2で負け越した相手である。一流のトップローラー(吊り手)の村岡君は、フック(咬み手)しかできない、しかもノーテクニックの私には非常に分が悪い相手ではあるが、県大会という大舞台でまた対戦できるということは、またとないリベンジの絶好の機会であった。

咬めば私にも勝機はある!そう思い、1分間ほど与えられたインターバルを少し早めに切り上げ、礼をして相手の手を握った。私が緩く握っているのか、相手も緩めに握ってくる。が、しかし親指と人差し指はきっちり固め、後方にプレッシャーをかけて、いつでも吊る準備は万端のようである。これに対して、私はどのように対処したら良いか分からないものだから、とにかくスタートと同時に咬むことしか頭になかった。

060625_1523審判の「ゴー!」の声で、力を込めようとする。だが、しかし、力を込める間もなく、あっ!と言う間にパットの近くまで手を持っていかれてしまう。しかも、今度は手を思いっきり開かされている。その体勢のまま何秒か耐えて、逆転を試みたが、そんな体勢では力が入るはずもなく、あえなくパットに手を叩きつけられてしまった。

負けてしまったが、褒めるべきは村岡君の見事な吊りである。私が弱いとはいえ、あそこまで見事に手を開かせるのは、並のことではない。その芸術的な吊りには惚れ惚れする。全くもって私の完敗であった。その村岡君も、今大会優勝候補で、私が瞬殺される男である村田周作君に負け、この時点で暫定1位、村田周作君、暫定2位、村岡君、暫定3位が私という結果になった。ということで、敗者の中から勝ち上がってきた者と私が闘うことになるのだが、私は村岡君に負けてすっかりモチベーションが落ちていたので、「もう、やりとうないのぉ!そんな面倒臭いことやるんなら6人しかおらんのやから、最初から総当りの方が良かった!」と、男らしくないことをブツクサ言っていた。

最初は、そんなこと思ってもなかったのに、正にこれは、実力のない奴が言うことである。強い人は、こんなことを言わない。ましてや漢塾塾長が言う言葉ではない。うえちんに「男らしくねえ~」と言われて、己の言ったことを恥じた。そうだ!何時いかなる場所でも誰とでも闘うのが漢である。常日頃、肝に銘じているこの言葉を忘れていた私は、まだまだ漢には程遠い。そう反省してから、気持ちを切り替えるのに時間はかからなかった。

そして、気持ちを新たにした私の前に、敗者復活戦を制して現れたのは、やはり実力者の中司君だった。先ほどは、運良く力勝負に持ち込めて勝ったが、今度も勝てるという保障は無い。気を引き締めて、壇上に上がった。

相手は敗者復活戦を制し、調子を上げているように見えるし、また同じミスは犯さないという気迫にも溢れているように見えた。だが、私も気迫だけは負けない。「次勝って息の根を止めてやる!」と思い、相手の手を握った。

相変わらずの緩い握り、こっちの調子が狂ってしまいそうになる。いらぬところで力を使うまいと、相手の握りの強さに合わせて緩い握りにし、審判の掛け声を待つ。

060625_1531なかなかの集中。この間、観客の声は全く聞こえなかった。ゴーッ!の声で、「おりゃあ~!」と、叫ぼうとしたのだが、叫ぶ間もなく私の手はパットに叩きつけられていた。時間にして0.5秒ぐらい。瞬殺である。気合いはバリバリに入っていたのだが、今度は手首を巻きつけることができなかった。完敗である。

やはり先ほどの勝利はまぐれであることが、これでハッキリした。この負けは実力差以外のなにものでもない。おかげで、負けて落胆することはなかった。それよりも、今後自分が克服しなければならない課題というのも分かったので、この一戦は自分にとって価値ある一戦だったといえる。これで、私の試合は終わったので、後は決勝の3人の闘いを見守った。

実力者の中司君も村岡君の芸術的な吊りの前には瞬殺を余儀なくされ、優勝は村田周作君と村岡君の争いとなった。そして、その優勝決定戦。最初の握り合いでは、村岡君がかなり攻めているなという印象を受けたが、そこは百戦錬磨の村田周作君、相手に有利なようには握らせず、何度も何度も握り直しをしていた。ようやく握り合いが落ち着いたところで、ゴーッ!の掛け声。

060625_1633村岡君の吊りを受け止めた村田周作君が上から力でねじ伏せて、勝負はあっけなくついた。さすがであった。村田周作君はスピード、パワー、テクニックそのどれもが素晴らしい。そのどれもが、他の出場者より一枚も二枚も上である。また、今回は全国大会で活躍したことにより、それに経験というプラスαが加わったので、これはもう手のつけようのない強さだった。

一方、負けた村岡君もよく頑張ったと思う。あの村田周作君となかなかの緊迫した勝負をしたのだから。彼はこれから更に強くなるに違いない。

結局、私もうえちんも入賞することは叶わなかったのだが、お互いに自分が「弱い」ということを自覚できたので、この大会での経験は価値あるものになった。また、チームや練習場所は違えど、アームレスリングを愛する者達と同じ空間で同じ時を共有できたのはすごく意義あることだった。

私はアームレスリングが好きだ。いや、愛している。だから、アームレスリングを愛する者は皆、同志であり、仲間だと思っている。その仲間達と楽しい時間を過ごすためにも、また、大会の盛り上がりに少しでも貢献するためにも、今後も出場していくつもりだ。だが、勿論それとは別に、優勝は狙っていく!

追伸 ベンチプレス中国チャンピオンのK村さん!私達と一緒に練習しましょう。漢塾のホームページを見ていたら連絡ください!

開催状況
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上ちん緊張

大会参加を前に昼食を会場横のレストランで摂るが、
うえちんは全く落ち着かない。緊張してあまり欲しくないとのことだが、無理やり完食。

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最初で最後

一勝し雄叫びをあげる塾長。最初で最後の勝利だった。

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入賞者達

75Kg超級の入賞者達。優勝者の村田周作君は、大会を盛り上げるためには欠かせないキャラクターだ!


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