新春寒稽古 2007
- カテゴリ
- ANOTHER
- 開催日
- 2007年01月03日(水)
もしや、こいつバっくれるんじゃないか?何度も鳴らす携帯にでない小野に対して多大なる不信感を持った。この時、集合時間までは30分をきっていた。これは、家まで迎えに行くしかないと思い、荷物をまとめ車に乗り込み、小野の家に向かった。小野の家は私の家から車で3分ほどの距離。家に着くなり、小野を呼んだ。
「は~い!」の声で、私を出迎えてくれたのは、小野の母ちゃんであった。「少し待ってくださいね!」の言葉に私はホッと胸を撫で下ろした。どうやら逃げたわけではなかったようだ。待つこと5分。朝のお勤めを終えた小野が家から出てきた。開口一番「今から行くつもりだったんですけど。」と一言。本当にそのつもりだったのかどうかは分からないが、そんなことはどうでも良かった。とりあえずは、小野の身柄を確保したことで安心していた。
問題は菊ヶ浜に何人が集まっているかであった。声をかけた者が全員集まるとすれば、9人にはなるはず。別に一人一人を疑っているわけではなかった。ただ、実際に集まったのを見届けるまでは、安心できなかったのである。
だが、私の不安は菊ヶ浜に到着した途端に消し飛んだ。そこには、参加予定者の全てが集まっていたのである。参加者は、私を含めて9人。過去最高の参加人数であった。この日は、気温10℃くらいはあるのではなかろうかという暖かさで、砂の上を歩いても冷たさや痛さを感じることはなかった。非常にやりやすい条件ではあるのだが、常日頃から大雪の中でやりたいと思っている私にとっては面白くなかった。
昨年と同じく、まずは体を暖めるためのランニングから始め、それが終わってから相撲を行った。昨年と違うのは、昨年は特定の者だけで行った相撲を全員で行ったことである。主に足と手だけしか動かさないランニングと違って相撲は全身運動である。相手と体全体を使ってコンタクトするため、体を関節から指先まで、まんべんなく動かせる。よって、体を暖めるのにも、ストレッチ効果を狙うにも相撲は準備運動に最適なのだ。
2回取組をした頃には、全員が完璧に体が暖まっていたようだった。これで海に入っても良いと判断した私は、波打ち際で全員を横に並ばせ、「行くぞぉ~!」の言葉で全員を海に入らせた。
海の水は、気温に関係なく冷たいのでは?と予想していたのだが、予想どおりに冷たくはあったものの、昨年よりは水温が高かったように感じた。よって、水に浸かる時間を長くすることにした。一人づつ、ゆっくりと大声で10まで数え、それを3巡。そして、それが終わったら一人づつ今年の抱負を語った。それでも、全部終えて海から上がるまでは7~8分だったのではないだろうか。昨年よりは僅かながらに長く水に浸かったのだが、物足りなく感じたのも事実だった。
今年の寒中水泳のテーマは「常夏」ということで、海から上がるなり、寒中水泳初参加の須保を砂に埋めた。この須保という男は、こういうことが好きというか、思考回路が飛んでいるというか、なかなか私好みの男である。海中で語った「今年も塾長について行きます!」の言葉どおりに、しっかりと今年も私について来て欲しいものである。
それが終わってから、まだまだ泳ぎ足りないものは再び海に向かった。今年は、再び海に入る余裕があるということだ。そして、再び海に入った時に思いついた。海の中で、寒中水泳の締めであるアイスを食ったらどうかと。これは、今まで考えたこともない試みだった。これまでは、水に浸かるので精一杯でそこまで考えつかなかったというか、寒さのあまり考える余裕がなかったのである。「海に入って食おうぜ!」という私の呼びかけに応じたのは、4人。アイスを食うまでは海から出てはならないため、こればかりは厳しいと思い、全員に強制することはしなかった。
しかし、いざ5人で海に入ってアイスを食ってみると、これが思ったよりも大したことなかった。アイスを持つ手が冷たいだけで、体が中から冷え切ることもなかった。拍子抜けした感もあったが、これが今までのような寒さの中でのことなら、厳しいものになっていたに違いない。
結局、全て終えたのは開始から40分後のこと。水温の高さと、気温の高さに不満を感じはしたが、これは自然条件だから仕方がないことである。ただ、厳しい目で見ても、これまでと違った試みができたことと、全員が首まで海水に浸かれたということで、全体的には満足のいく今回の寒中水泳だったように思う。
寒中水泳は来年もやる。また今年のように大人数でワイワイやれたら楽しいものになるだろう。が、暖かいのはもうコリゴリだ。願わくば、大雪が降りますように!
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