第05回 漢塾イカ釣り大会
- カテゴリ
- FISHING
- 開催日
- 2007年06月16日(土)
第4回漢塾イカ釣り大会の開催はゴールデンウィークの真っ最中であった。あれから約1ヶ月半。本来であれば、もう少し早く開催しようと思っていたのだが、レギュラーメンバーである水道ファイブのメンバーのスケジュールを合わせるには、この日しか残ってなかったのである。
この日は時期的にはシーズン晩期とはいえ、風も波もなく、絶好のイカ釣り日和であった。また今回は、水道ファイブに加え、小野田市から参加の矢田と森の2人と、私の友人の扇窯のオーナーである佐久間が参加してくれた。この3人とも釣り経験はかなりあるようだった。
8本の竿に、経験豊かな者が半分以上。「これで釣れないわけがない。」そう思い、大会に臨んだ。ところが、時間が経てど、誰の竿にも当たりはなかった。開始から1時間が経った頃には、小野田コンビと佐久間はこの場所では無理と判断し、早々に場所替えをしていた。経験豊かな者達は、見切りをつけるのが早い。これが吉と出るか凶と出るかは分からないが、確かに釣れない場所には、さっさと見切りをつけて場所を替わった方が釣果が上がる可能性が高いと思う。
そのセオリー通りのことを当たり前にできるのが経験者のさすがというところである。私も「俺も場所を替えよう!」と思うには思ったのだが、もしかすると自分がこの場所を離れた後に、他の者が来てデカいのを釣ってしまうかもしれないことをどうしても考えてしまって、今いる場所を離れることができなかった。
その考え方は、私がよくパチンコをよくやっていた時に培ったものである。当時、出ないと思って離れた台を他の者が打って、500円も入れないうちに大当たりし、その後連チャンするということが頻繁にあったのだ。それを見て、「クッソ~!あのまま打っておけば良かった!」と、後悔することしきりだった。その苦い経験がもとで、一度打ちだした台は、財布がスッカラカンになるまで打ったものだが、それで勝率が上がることはなかった。
まあ、仮に台を転々と移動したとしてもそれで勝率が上がるかどうかも分からないのだが。この時、つまらない執着から離れられない私は、今回の優勝レースからこぼれたと思った。それとは逆に実に自由きままに楽しそうに釣りをしている矢田と森、楽しそうではないが、いろいろと試行錯誤しているように見える佐久間は何かやってくれるのではないか!そんな気がした。
そんな私の自己嫌悪をよそに、開始から2時間経った頃、末永さんから「釣れた!」との声が上がった。末永さんのもとに駆け寄ると、まあまあの型の甲イカを釣り上げていた。目つきが悪く、味も悪い、嫌われ者の甲イカだが、甲イカでもイカにかわりはない。タコを釣るよりは、遥かにましである。とにもかくにも、これで大会が成立したのだった。
末永さんが釣り上げてから20分後に西川のもとに矢田達から連絡が入った。どうやら矢田がタコを3匹、森が甲イカを釣ったらしかった。そして、連絡が入ってから間もなく佐久間が手長タコを携えて戻ってきた。さすが、この3人は私が期待していただけのことはあった。さすがは経験者である。
しかし、それとは対照的に、末永さんを除く水道ファイブの面々は、相変わらずの泣かず飛ばずであった。初代キングのキングは、永代キングという名誉の上にあぐらを組んでか、「釣れても釣れなくてもずっと俺はキングと呼ばれる。」とばかりにマイペースだし、今回私が最も期待をかけていた西川はいつもながらに釣りのことはそっちのけで食ってばかりの始末。
特にますたぁに至っては、矢田がタコを3匹も釣ったのを気にして、「矢田にマスターの座を持っていかれないですかねぇ。」と、何度も不安そうに漏らしていた。前回もそうだったが、ますたぁは心配性過ぎる。例え誰かが1日にタコを100匹釣ろうとも、タコマスターの座は永遠にますたぁのものである。何故なら、タコが似合うのは、タコマスターと呼ばれて全く違和感がないのは、ますたぁしかこの世に存在しないのだから。
大き過ぎる不安は、いつしかねたみや憎しみに変わるもの。前回、西川に向けていた敵意を再度、矢田に向けることがないよう、「心配ないよ。タコマスターの座は、キングの永代キングと同じで、ずっとますたぁのものなんだよ!」と、諭すと、依怙地になっていたますたぁも、やっと安心したようだった。
開始から3時間半が経過。矢田と森から連絡が入って以後、誰にも当たりはなかった。皆の飽きと疲れがピークになった頃に丁度、矢田と森が遠征先から帰ってきたので、それを見計らって、大会を終了にした。
優勝は、甲イカを釣った森と末永さんで争われたが、わずかながら重さで森の甲イカが勝り、森が優勝ということになった。この森という男は、旧油谷町のシーバス釣り大会で92cmのビッグサイズを釣り上げて優勝するなど、すごい経歴の持ち主であるからして、優勝するのは当然のように思えた。
そういえば、大会を始める前に小型のルアーで、何かの魚を狙っているのを見たが、その竿とリール捌きは並みのものではなかった。こいつなら、いつかは2㎏を越える大型のアオリイカを釣ることだろう。それだけのポテンシャルと、運を持っていると思う。
それにしても、不甲斐ないのは私である。かつてはキングと呼ばれ、イカ釣り仲間から一目置かれていた男が、第1回イカ釣り大会より、この大会まで何も釣っていないのだから。水道ファイブの中でも、何も釣ってないのは私だけである。
今回も、釣り糸を新調するなどして、気合いを入れて臨んだのだが、それが空回りした感じである。これでは、ただの釣り好きなおっさんと思われても仕方がない。昔の私の栄光を知る者なんて、周りにはいないのだし。
このままでは、いちおうはタコを釣ったことのある食ってばかりの西川にもバカにされそうなので、次回大会では、大きいことは考えずに、まずは何でもいいから何かを釣ろうと思う。
とりあえず、春のイカ釣り大会はこれで終りだが、今年の大会がこれで終わったわけではない。9月中旬以降の秋のイカ釣り大会も2回ほど予定している。その際は、春のイカ釣り大会ではお目にかかれなかったアオリイカを、しかも㎏オーバーのやつを誰かに釣っていただきたいものである。
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