新春寒稽古 2005
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- 開催日
- 2005年01月09日(日)
気温2℃、風が強いので体感温度は零下にも感じられる寒さの中、2005年漢塾寒稽古が行われた。漢塾の行事は、何があっても行われる。 この時期、どういう訳か、塾生達から避けられているようで寂しく感じるのだが、それでも私を除いて7人の精鋭達が寒稽古をするために菊ヶ浜に集った。
砂の上とはいえ、足の裏を刺すような冷たさを耐えて、まずは体を温めるための相撲から寒稽古は始まった。塾長に胸を貸していただけるので、塾生達は一心不乱に塾長の胸に飛び込んでいく。途中、一人では叶わないとみて、二人がかりで塾長を倒そうとズルをする塾生もいたが、塾長の反撃を思いっきりくらってしまう。
体が温まったところで、いよいよメインの海水浴が始まる。海中で輪になって手を繋ぎ、首まで海水に浸かって般若心経を唱える。水温の方が、気温より高いとはいえ、海水が容赦なく体温を奪い去るので、陸上にいる時よりは遥かに辛い。特に手足の先からどんどん冷たくなって、痛ささえ感じた。「心臓が痛い!」と言う者もいたほどだ。おまけに、あまりもの冷たさで、ナニも最小サイズまで縮みあがってしまった。
何とか般若心経を唱え終え、砂浜に上がった塾生達を待っていたのは、アイスバーのガリガリ君だった。これを完食しない限りは、体を拭くことも服を着ることも出来ない。体の芯まで冷えた体を更に体の中から冷やそうとの塾長の憎いまでの心遣いだ。
寒風に晒され、ガタガタ震えながらも、アイスの中でも最も食いにくい、かき氷系のガリガリ君(ダブル)を必死になって食う塾生達を眺めるのは、とても楽しかった。早く食えば早く服を着れるが、早く食うと頭が痛くなるので、ただ早く食えば良いというものではない。頭が痛くならずに早く食うのは、結構難しいのだ。
結果、どうしても完食できない者もいたものの、殆どの者が完食した。約20分ほどの全行程を終えて、塾生達は皆、顔に「やっと終わった!」という安堵の表情を浮かべていたが、満足そうな顔をした者は一人もいなかった。しかし、死人が出ずに全員、寒稽古を完遂出来たことは幸いだった。
寒稽古は漢塾の新年の最初の行事である。これをやったから何か良いことがあるということはない。これをやったから根性が鍛えられるとか、精神力が強くなるということもない。では、何のためにやるのか?面白いからやる、人がやらないからやるのだ。
たいがいの者は、「このクソ寒いのに馬鹿なことを!」と嘲笑う。たいがいの者は、寒いから尻込みする。だからこそやらなければならない。「おもしろくなき世をおもしろく」するためには、人がやらないことや、厳しい条件の中にも自ら進んで飛び込んでいく必要があるのだ。
この経験をどのように捉えるかは、塾生次第。二度とやりたくないと思ってもいい。ただ、冷たい水の中に飛び込んでいくのと同じような覚悟で、物事に臨めたならば、寒稽古をやった甲斐があるのではないだろうか。
寒稽古はリクエストに応えて、来年もやる。来年は、更に面白いメニューを加えるので、心していていただきたい。来年は、もっと寒くなりますように!
陸へ退避
寒中水泳を終え必死に砂浜へ走る一同 |
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生ける屍
あまりの寒さに生きながらにして死後硬直を始めている伊東さん(写真左)と最近漢塾へ参加し始めたボディービルダー木内(写真右) |
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