爽快感

10月1日より、ゴミ焼却場及び不燃物処理場に持ち込むゴミが有料になるということで、現在は倉庫と化している裏の家のゴミ捨てに末弟と共に勤しんでいる。

裏の家のゴミは、何十年もの歴史の蓄積であるため、その量は半端ではない。燃えるゴミと燃えないゴミの分別をするだけでも何十時間も要してしまう。

だが、その作業は、今日に至るまでの数週間で済ませた。そして、分別したゴミの焼却場や処理場への搬入も大方済んだ。よって、残るは家具類などの大型ゴミである。それも半分くらいは済ませたのだが、まだ半分が残っている。

家具類などの大型ゴミの場合は、そのまま軽トラックに積み込むには大き過ぎるし、原型を留めたままでは数多く運べないので、バラバラに分解してから運ぶようにしている。

バラバラに分解するのは勿論、家族の中で一番の力持ちの私の仕事である。作りの弱い安い家具は、簡単にバラせるのだが、年代ものの作りのしっかりした値段の良さそうな家具はそうはいかない。

私は、道具を使わずに、素手でバラすことにプライドを持っている。バールなどの道具を使った方が簡単にバラせるとは思うが、そんなのは漢のやることではない。漢たるもの、鍛え上げた己の肉体と、賢くはなくとも一応は考えることのできる頭を使ってバラさなければならない。

効率的にバラすには、まず、引き出しや差し込み板などの除けるものは先に除いておく。それから、背板を足でブチ抜く。最後に、家具の角っこを頂点になるよう斜めに立てて、その対角線側の角っこに思いっきり力と体重をかける。

すると、どんな屈強な家具も見事に崩壊してコンパクトになるのだ。体力と頭脳の勝利!綺麗に壊れた時の爽快感ときたら、これは、経験した者にしか分からないだろう。

その作業も、今月末には一応の終りを迎える。裏の家が空っぽになって嬉しい気持ちの反面、壊すことの爽快感を失くす寂しさも感じつつある。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です