一昨年の暮れ、白さんと再会した時に「小学校の卒業文集で、ごっつは”探検家になりたい!”と書いとったよ!」と言われ、卒業文集を見せられた。

その時は、卒業文集の存在さえ忘れてたので、”俺そんなこと書いとった?”ぐらいにしか思わなかった。

そして、白さんは卒業文集に書いた自分の夢を見事に実現しているのに、夢を実現するどころか実現する夢が無い自分を恥じたものだった。

その時は、それだけだった。

あれから少しだけ時間が経った。

妻との会話がきっかけで自分の夢というものを考えてみた。

“自分には夢が無い”と思い込んでいた私の脳裏をよぎったのは、「ごっつは”探検家になりたい”と書いとったよ!」というあの時の白さんの言葉だった。

私は、幼い頃より冒険ものの本が好きだった。また、未知の文明、未知の動物など、まだ知られてないことに非常に興味をそそられていた。

だから、世界を飛び回って、それらのものを探しに行きたいと思っていた。

そのことは、何となく思い出した。

では、今はどうか?

相変わらずそのような類のことは大好きだ。私が購入する本の半分は、そのような類のもので占められている。

浅い知識しかないくせに、日本から出たことさえないくせに、実際に自分の目で確かめたいがために、世界を飛び回りたいと無性に思うこともある。

自分の行動や考えというものを客観的に観察してみると、興味のあることが子供の頃から全く変わってないことが分かる。

と、いうことは今でも夢は探検家ということになる。

そう、今まで探検家になることが自分の夢ということを忘れてただけなのだ。

私には夢がある。

私の夢は探検家。

思い出したおかげで、楽しくなった。


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