萩焼作り Part2

カテゴリ
 ANOTHER
開催日
2008年04月20日()
開催状況
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チェック

大口の薪の燃え具合と、温度計を見ながら窯の中の温度の上がり具合をチェックする佐久間。温度の上がり具合をこまめにチェックすることは、作品を良い焼き上がりにするためにも必要である。

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不完全燃焼

この日は風が強く、たまに逆風が吹くこともあって、窯の中が不完全燃焼になることもしばしばあった。不完全燃焼になると、辺り一面に煙が立ち込めて、とても窯の傍にいられる状態ではなかった。

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家を解体した時に出る、廃材から切り出された薪。これを天日で乾かした後、適度な本数を番線で束ねて、窯小屋に山積みにする

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作業場全景

画面中央の建物が窯小屋。右側が作業場。山奥にあるため、数㎞四方は民家も無い。

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菜の花

作業場の近くに、たくさんの菜の花が咲いていた。花は良い。長時間窯と向かい合って、ピリピリしている神経を癒し、和らげてくれる。

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投入風景

大口に2人で交互に薪を投げ入れる。ここで投げ入れる薪の束は左右5束づつの合計10束。温度上昇に応じて、それを何回か繰り返す。一度、投入すると10分~15分のインターバルがあるので、ここまでは比較的に作業が楽である。ちなみに、私はまだ投入は出来ないので、ここでの私の仕事は薪受けに番線を外した薪を載せることである。

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煙突

小屋の後方にある煙突。煙突は2本。この時は不完全燃焼していることもあり、黒い煙をモクモクを上げていた。

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チェック

この日は、逆風が吹くことと、湿度温度の関係もあり、大口内の温度の上がりが悪かった。あまり長く大口に薪を投入すると、作品の焼け具合に影響するようになる。そこで、やむをえず大口内の温度が、目安の1100℃に達することなく、第一袋へ薪の投入を開始することに。写真は、第一袋内の焼け具合をチェックする佐久間。薪受けに載っているのは、大口に投入する太い薪とは違い、それの4分の1ぐらいの太さの細い薪である。ここからは、インターバルが1~2分しかない。その間に次に投入の薪を用意しなければならないので、すごく忙しい。おまけに、窯に近づいて投げるようになるので、投げる人はめっちゃ熱い目にあうようになる。

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第二袋へ

第一袋を2時間、薪の数にして36束の投入で、袋内が目安の温度に達したため、薪の投入を止める。そして、最終の第二袋へ。ここでは、目安として1200℃超を目指す。

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黄昏

第二袋の投入開始から既に1時間半。投入した薪は20束を越えるが、温度はなかなか上がらず。日も暮れ、カラスも寝床へ帰って行った。ただ時間だけが刻々と過ぎていく。

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チェンジ

これまで、一人で薪を投入してきた佐久間も、あまりもの暑さでダウン。佐久間のトレーナーは、汗でビショビショだった。佐久間に代わり、佐久間パパが投入開始。その間、佐久間はコーラ休憩。

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憎き奴

何故か、窯小屋周辺に大量発生していたホウジ(カメ虫)。私は、これを見付けると、殺さずにはいられない性質なので、目につくものはとにかく殺しまくった。どんなに少なく見積もっても、おそらく200~300匹は殺したはず。また、薪の中に隠れていたりもするので、知らず知らずのうちに手で潰してしまったこともあった。おかげで、窯小屋の中は終始、ホウジの臭い匂いが充満していた。 だが、その匂いも嗅ぎつづければ慣れるもの。そのうち良い香りに思えてくる・・・んなわけねえやろっ!

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功労者

いつもながら大活躍のラジオ。手を動かす時は、テレビの映像は邪魔である。音だけで十分。手を動かしながらも、たまにラジオにも耳を傾けていた。ちなみに、私がこの日、熱心に聴いていたのは、福山雅治の番組。 ちー兄ちゃんの頃からのファンなので、面白かった。

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到達

大二袋へ薪を投入してから3時間が経過し、やっと手前と奥とで1200℃を超えた。ちなみに左側のメーターが袋の手前、右側のメーターが袋の奥の温度である。 だが、佐久間が「もう少し温度を上げたい。」と言うので、薪の投入はまだまだ続く。

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最終投入

1200℃に到達してから、薪を投入し続けること30分。既に投入した薪は目安である50束を越え、64束になっていた。それでもなかなか温度が上がらない。窯に火を入れてから、この時27時間近く。作品が焼け過ぎになることを危惧し、ついにここで薪の投入を終える。 窯の中には、窯の神様がいるという。確かに、窯の中で燃えさかる炎を見ていると、炎が生きているように感じることがある。私は、それが興味深くて、ずっと窯の中の炎を見ていた。ただし、見過ぎは禁物である。太陽と同じく、強烈な光を発しているので、目が痛くなる。

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全ての作業を終え、袋の口にレンガでフタをする。そして、レンガの隙間から空気が入らないように隙間を粘土で埋める。大口も蓋を閉めた状態で3~4日置く。完全に袋内の温度が下がるまでは、最低でもそのくらいかかるそうだ。

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闘いの跡

窯に点火から27時間、クライマックスの袋への薪の投入から6時間。全ての闘いを終え、窯も人間も静まりかえる窯小屋内。佐久間も佐久間パパもお疲れモードである。特に佐久間は、昨日より一睡もしてないので、披露痕倍のことだろう。 このような、普段できない貴重な経験ができることは非常に有難いこと。私を必用としてくれる限り、今後もお手伝いさせてもらうつもりだ。次回(おそらく9月)は、この私も薪を投入する予定。


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