ある公園
嫁の実家から預かっている犬をいつも散歩させる場所がある。当然、そこへ行くのは、2人の子供達と一緒だ。
少しばかり高台になっていて、階段を登った先にはそこそこの広さの平地が広がる。桜の木や夏みかんの木、照明や水道、ベンチ・テーブルなど、遊具が無いのを除けば、一応公園らしいものは揃っている。
小さい桜の木がフライイングして花を咲かせていたが、もう1ヶ月もすれば、大きい桜の木も花を咲かすであろうから、その時が楽しみでもある。
子供達や犬を遊ばせるのに良し、私が筋トレをするのに良し、家から近いから津波の避難場所として良し、そしてこれから暑くなれば、木が多いから涼むのに良しといった3拍子も4拍子も揃ったなかなかの場所である。故に、ここではいつも1時間近くを過ごす。
ただし、この公園の入口は表通りからは分かり辛く、しかもここへ到達するまでの道程が変則的なので、知る人ぞ知るといった公園だ。
実際、嫁がたまたまこの公園を見付けて、それを教えてもらうまで私はその存在を知らなかったし、これまでに何十回と訪れたこの公園で誰かに遭ったこともない。おそらく、これからも誰かに遭う可能性は低いだろう。
せっかく金をかけて整備した公園に人が訪れないのは勿体ない気もするが、おかげで私達が独占できている。
子供達にとっては初めての私にとっては、小学生の頃以来、久々手に入れた秘密基地である。
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