ジェラシー

バレンタインデーがいつ作られたのかは分からないし、興味もない。菓子屋が稼ぐために始めたのだろう。これがあるおかげで大迷惑だ。欲しくもない義理チョコ(本命をもらってもそれはそれで困るが)をもらって、その何倍もお返しをしなければならなくなる。

また、小学校高学年~社会人の未婚の人までは、本命のチョコを貰えるかどうかというところが、すごく気になるところだろう。学校でも職場でもこの日は、ソワソワしているに違いない。

どうせくれるのなら、肉とか魚をくれればいいのにと思うのだが。それにしても、このような金を使わせ、要らぬ気を遣わせるだけの迷惑で無駄なイベントは、不要である。この世から無くしてしまうべきだと思う。

本日、息子の幼稚園の同級生の母親から電話がかかってきた。今から息子にチョコレートを持って来るということだった。

その電話から10分後、母親に連れられて来た同級生の子が、息子に袋を渡した。一応は、本命のチョコとのことだった。袋の中には、手作りのクッキーやチョコレートがたくさん入っていた。息子は、喜びつつもさっそく、その子の前で中身を出して食っていた。

「パパにもあげるね!」と、私に一枚くれて食べたクッキーは、ホロ苦い青春の味がした。

4歳になったばかりのこいつは、女の子からチョコレートを貰う意味を分かってない。大好きなクッキーやチョコレートを貰えたのが嬉しいだけだ。女の子でなく、私から貰っても同じ喜びだと思う。

しかしだ。私にクッキーを恵んでくれる時のこいつの勝ち誇ったような表情が忘れられない。「俺は4歳で本命チョコが初めて貰えたけど、パパは何歳だい?」というような。

おそらく、本能的に私には“勝った!”と思ったのだろう。

この時、初めて私は、息子が他者への優越感を持ったことを感じた。優越感を持つということは、他者を見下すということだ。人間いつかは、そのような感情を持つようになるのだが、4歳は早すぎる。

このことに私は、息子の将来を危惧した。

そこで私は、教育と思い、すぐにこいつの間違いを正してやった。「いいかい、パパみたいになりたいのならバレンタインのチョコなんて貰わないのがいいんだよ。チョコを貰わないほうが強くなれるんだよ。」と。

私に要らぬ教育を強いたバレンタインデーなんて、やはり要らない。

そして、こいつにチョコは200年早えぇ!

 

 


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