第07回 漢塾イカ釣り大会
- カテゴリ
- FISHING
- 開催日
- 2008年05月17日(土)
先客
私と西川が現地に到着した時は、既に小野田支部の面々は到着していた。いつもの3人に、初参加者の原やんと姉さんの2人を加えての5人。
釣り初体験?の姉さんはともかく、他の4人は、他に類をみない釣り好きとあって、私達の到着を待たずにガンガン竿を振っていた。別に皆が揃うまで、竿を振るのを待つ必用はないのだが、問題は萩の水道ファイブの集まりであった。
私と西川が到着してから20分ほどしてキングが来てからしばらく待っても、残りの水道ファイブである末永さんとますたぁが現れなかったのである。どちらからも、”遅れる”とは事前に聞いていたから、”まだ用事が済まないんだな。”ぐらいにしか思わなかったが、待っている間に持参した晩飯を食って話し込んでいるいるうちに、すっかり”くつろぎモード”になってしまった。よって、盛んに竿を振り続ける小野田支部の面々を尻目に、水道ファイブの3人は竿を振ることなく、ペチャクチャと喋ってばかりいた。
到着してから1時間半後に、ようやく水道ファイブの3人の中で唯一竿を振ったのが私であった。だが、竿を振ったといっても、わずか3~4投しただけ。小野田支部の面々から、”この場所は釣れない!”と聞き、”それなら場所を移動しようや!”と言って場所を移動する前に、”一応振っておくか”ぐらいの考えで振っただけのことであった。
“これからが本番!”とばかりに、自分のやる気の無さを気にも留めなかったのだが、この時点で私の、いや水道ファイブの3人の結果は決まっていた。
移動
私達より先に移動した小野田支部の面々は、各々が好きな場所へ散ってしまい、所在の確認がつかめなくなってしまったため、私達はいつもの場所へ移動した。移動してから、ようやく自分達はイカ釣りに来たことを自覚したのか、水道ファイブの面々は本格的に竿を振り出した。
私も幾度も投げては巻き、投げては巻きを繰り返す。この単純作業を何度も繰り返すのは集中力が要るため、いつもの私であれば5分も繰り返せば飽きるところ。だが、久々のイカ釣りとあって、皆とまた来れたという喜びを感じながら黙々と投げていたため、5分で飽きることはなかった。
それでも生来の気が短い性分はどうにもならないもの。どのような状態にあっても人よりは早く飽きるらしく、10分も続けて投げたら、完全に飽きてしまい、それからは、2~3回投げてはキングや西川達と話をするということを繰り返していた。
目的
話をする時間と、竿を振る時間との割合は5:1ぐらいで、話をする時間の方が圧倒的に長いのだが、私はそれで良かった。
漢塾イカ釣り大会の目的はイカを釣ることである。イカ釣り大会なのだから、当然である。だが、それとは別にもう一つの目的があるのだ。それは、ある意味イカを釣ることより大切なことと言えるかもしれない。そのもう一つの目的というのが、”会って話す”ということである。イカ釣り大会でないと会えない者がいる。同じ職場の者でも、職場内では話せないこともある。だから、年に何回かの皆が集まる場所であるイカ釣り大会で”会って”、そして”話す”のである。それは、漢塾の他のイベントでも同じである。ラン然り、アームレスリング然り、寒中水泳然り。
電話でも話せるが、電話は電話代がかかるし、やはり会って面と向かって話すのとは違うのだ。働いている私達は学生の頃とは違い、何時でも好きな時に会えるわけではない。仕事の都合、休みの都合、家庭の都合、自分の用事の都合など、様々なことをクリアして、ようやく会えるわけだ。しかも、人数が多くなればなるほど、それは難しいこととなる。
よって、大人数が一同に会するということは、大変なことなのである。また、私達はええ歳した大人だ。学生の頃のようにただ会って”ファミコンしようや!”とか、誰かの家に何をするでもなく集まるということはできない。
集まるには、何らかしらの共通の目的が要る。飲み会を除けば、スポーツや何らかの趣味ごとをやってない限りは、大人になったら集まるための目的は作りにくくなるのではないかと思う。だから、私はその目的を作りたいと思った。その目的をイベントとして作り出し、提供するのが漢塾なのである。
キング
キングはこの4月から、萩から40㎞ほど離れ山口市に異動になってしまった。よって会うことがめっきり無くなってしまった。そのためか、キングはいつになくよく喋った。それは、”こいつこんなにお喋りだったかな?”と思うほどである。また、私のリクエストに応えてくれるなど、いつになくサービス精神が旺盛だった。久々に皆と会って嬉しかったためだろうか?
キングは言った。「釣ることより、参加することに意義がありますからね。」と。キングのこの言葉の裏を返せば、”皆と会えることで十分です。”と言っているように感じた。キングも、大会のもう一つの趣旨を分かっていたようだった。パチンコと女好きではあるが、頭脳明晰で、漢塾で唯一インテリの雰囲気を醸し出す男キング。大会のもう一つの目的を察するとは、さすがであった。
合流
私達が移動先で竿を振り出してから、1時間ほどして、ますたぁと末永さんが合流し、やっと水道ファイブが揃った。そして、それからほどなくしてゴリョウと原やんの2人も合流した。既に帰った者も、行方不明な者もいたが、大会開始から2時間経って、一応全員集合となった。
運
既に竿を振ることに飽きていた水道ファイブの3人と、タコを釣り専門のますたぁの除いた他の3人に何か釣れないかと期待した。だが、この日は風もなくベタ凪で、イカ釣りには絶好のコンディションにも関わらず、イカの食いつきは悪かった。
海面近くまで上がって泳いでいる姿も見えたし、ゴリョウは既に1杯釣っていたから、イカが海の中にいるのは分かっていたのだが、誰かの竿にイカがヒットすることも無かった。実力、情熱、運などが、イカ釣りには必要なのだが、一番必用なのは運であろうことは分かる。ただし、その運も竿を振らないとついてこない。竿を振った回数だけ、運もついてくるのだ。
末永さんを除いた水道ファイブの4人は問題外としても、実力、情熱、運と3拍子揃った他の3人にも運が無かったためか、しばらくは何の動きも無い膠着状態が続いた。膠着状態が続くこと1時間。その膠着状態を破ったのが、ゴリョウであった。既に1杯釣っているからして、ゴリョウに運があることは分かっていたが、誰も釣ってない中、2杯目を釣り上げたことで、この日一番の運の持ち主というか、運があるのはゴリョウだけということが分かった。
ゴリョウ達は用事あって、先に帰ってしまったが、結局それから1時間近く竿を振った、水道ファイブの誰一人として、イカを釣り上げる者はいなかった。
大会を終えて
“もう何年釣ってないんだろうか?””次は絶対に釣ってやる!”と、これまで何回言ってきただろうか?もういい加減に、負け惜しみを言うのは飽きた。そのようなことは、今後一切口に出すまいと思う。前述したように、漢塾イカ釣り大会は、イカを釣ることを目的とする以外に、志を同じくする者達が一同に会してコミュニケーションをとることを目的としている。イカは不作ではあったが、皆と十分なコミュニケーションがとれたことで、私は満足している。勿論、もう一つの目的であるイカを釣ることが達成できれば、尚満足であろうが、それは時期やその日の条件、イカ様の機嫌に左右されるから、こちらの思うようにはいかないことである。よって、これからも皆で楽しく、十分にコミュニケーションをとることだけは心掛けていきたいと思っている。これだけは、私達の意志でできるのだから。
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