プレーリードック

050206_1822 私の実家には、プレーリードッグという変な生き物がいる。一昔前まで、テレビでよく見かけた、二本足で立ってキョロキョロしている姿が可愛いあれである。名をとん平という。 私が実家に帰った時に、「お~い!」と呼ぶと、「ウエ~ッ」と立ち上がって返事をする。

あまり勢いよく返事をすると、仰け反りすぎて後ろに倒れてしまうが、その姿はたまらなく可愛い。 某ホームセンターで19,800円で買ってきてから既に7年が経つ。実はとん平以外にもジャッキー、かっぺ、ミミという名の3匹を一緒に飼っていたのだが、3匹とも死んでしまい、最後に一匹残ったのがとん平なのだ。

とん平はとても頭が良く、そしてとても執念深い。過去に私から受けた仕打ちをよく覚えている。だから、家族の中で私が一番嫌いである。私を自分の半径1m以内には近づけさせない。それ以上近づくと、体を振るわせて威嚇のポーズをとってしまう。

しかし、遠くから眺めているだけでは、物足りないので、とん平の檻に近づいて、やむなく割り箸やモップの柄でつついたりしてコミニュケーションをとっている。本当は、素手でいじくりまわしたいのだが、素手だとあの鋭い出っ歯で噛み付かれるので、割り箸やモップで我慢しているのだ。今まで、素手で触って噛み付かれたことは数知れず、私の指には噛み付かれた痕が無数に残っている。私も噛み付かれたままではいないので、

その都度、デコピンという迎撃ミサイルを発射していたのだが。 050206_1822こんな凶暴なとん平ではあるが、うちの親父とお袋にはよくなついている。特に親父には自分から親父に抱っこしてくれと甘えるほどなついていて、傍から見ていても羨ましく思えるほどである。

プレーリードッグは、現在、輸入禁止の動物である。とん平が死んでしまうと、この次はない。あとどれくらい、こいつが生きられるかは分からないが、こいつが生きているうちに和解して素手で掴んでいじくりまわしたいと思っている。形は違えど、親父も自分もとん平にかける愛情の本質は同じであると思っているから、それは可能なはずだと思う。


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