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四国八十八ヵ所遍路を終えてから、もうすぐ一年になる。月日の経つ早さを感じるとともに、苦しくも楽しかった思い出が、遠い日のことになりつつあることに寂しさも感じる。

思えばこの一年、お遍路のことを忘れることは一日たりともなかった。と言えば大袈裟かもしれないが、思い出さない日の方が少なかったのは間違いない。

四国で出会った人々、四国の空気、八十八ヵ所霊場の独特な雰囲気、様々な出来事、遍路道など、思い出す度に楽しくもノスタルジックな気分になる。人々が、なぜ四国へお遍路をしに行くのか?なぜ何度もお遍路をするリピーターが多いのか?その理由を具体的に説明することはできないけれど、今なら何となく分かるような気がする。

結願した時には達成感しか感じなかったが、一年経って、お遍路を通して得たもの、自分の身についたものが多少なりとも分かるようになった。そして、それはこれからもっと分かるようになることだろうと思う。

決して忘れることはない、お遍路での思い出。だが、忘れはしないが、時間とともに鮮明さが薄れていくのも事実である。幸いにもまだ、私の頭の中にはあの時の思い出が鮮明に残っている。お遍路での全ての出来事や、感じたことを記録に残すためにも、鮮明に残っているうちに、未完である遍路レポートをどうにかしてでも仕上げなければと思う。

それが終わった時に、やっと私達の自転車遍路も終わる。そして、それが次のお遍路の始まりでもある。


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