どぶ川

私の家の近くにどぶ川がある。この川を散歩の通りすがりに覗いてみたら驚いた。すごく綺麗になっているのだ。いつの間にこんなに綺麗になったのだろうか?このどぶ川の側を通ることは、年に数回はあったが、足を止めてじっくり見ることはなかったので、今まで全く気付かなかった。

私がこのどぶ川にザリガニ捕りで、足しげく通っていたのは小学校3年生の頃だから、今から25年も前のこと。その頃のどぶ川は、水が濁っていて、川に入ると膝までヘドロで浸かったものだった。おかげで、ヘドロから足を抜きながら歩かなければならないため、すごく歩きにくかった。また、ヘドロの中の割れた瓶や尖った石などで足の裏をよく切っていたし、川から上がる時には蛭が何匹か足にくっついていて、それを外すのに大騒ぎしたものだった。

しかし、そんな人間にとっては入りにくい場所でも、ザリガニにとっては住みやすいらしく、市内の他のどんな場所よりも、ここでは大量のザリガニを捕獲することができた。ちなみに私は一日で36匹捕まえたことがある。これは当時の仲間内では最高レコードであり、その記録は現在も破られていない。

まあそんなことはどうでもいいが、ここまでどぶ川が綺麗なったのは、川底のヘドロを全部除去したり、下水道が普及するようになったことが原因であるのは間違いない。

今では、川底にはヘドロは全くなくて、底の石が見えるし、水も透き通っている。さすがに、この川で水浴びをしたいとは思わないが、それでも私の子供の頃に比べると雲泥の差の美しさである。

だが、川が綺麗になっただけに、現在では川にザリガニの姿を見ることはできない。ザリガニ捕りに思い入れのある私にとっては、川が綺麗になった嬉しさよりも、ザリガニが居なくなった寂しさの方が大きい。


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