塾長より
いきなりのことだった。たまたま仕事でお前の家の近くに行ったものだから、久々にお前の顔を見ようとお前の家に寄ろうとした。だが、いつもと様子が違うことに気付くのに時間はかからなかった。
俺には、これがどういうことなのかすぐに分かった。何故なら、以前よりお前から親父さんの容態のことを聞いていたからだ。
不治の病。それが分かってからここに至るまでは、本人もそしてお前達家族も、さぞ厳しく辛い時間を過ごしてきたことだろう。経験した者にしか分からない辛さ。それを思うと、俺はお前に何もかける言葉が見つからない。
最愛の者を亡くした寂しさ、悲しさ、親父さんが苦しみから解放されたという安堵感、そしてこれからのこと等々。今、お前の心の中は、様々な思いが渦巻いているかもしれない。心が普通の状態に戻るまでは時間もかかることだろう。
一家の大黒柱であり、精神的にも一番の支えであった偉大な親父さんを亡くしたことは、お前にとってはとてつもないダメージじゃないか?そして、これから一家の全てのことがお前の肩に乗りかかると思うと、多大なプレッシャーも感じることだろう。
ただ、忘れてはならないのは、お前は一人ではないということ。家族も親戚も、そして俺達もいる。一人一人は、偉大な親父さんほどの太い支えではないかもしれないが、全てを合わせればそれ以上の太い支えになるんじゃないか?スケベなのが少しひっかかるが、人に優しく、鋼の肉体を作りあげるほどの根性をもったお前なら、これから親父さんの代わりを十分に務められると思うぞ。とにかく、頑張れよ!
身の回りが落ち着くまでは時間がかかるだろうから、しばらくは一緒に活動できんやろうけど、俺達は、一日も早く一緒に活動できるようになることを願ってるぞ!
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