明るいほうへ
金子みすゞ(みすずと読む)は、今から約100年ちょっと前に山口県萩市の隣の市である長門市の仙崎というところで生を受けた人である。生前、その才能を高く評価されながらも、残念ながら26歳という若さで自ら命を絶っている。
私は感性の鈍い人間だ。しかし、その感性の鈍い人間である私でも、みすゞの詩には優しさを感じる。
今の私の感性では、何を伝えたいかがが分からないような詩もあるが、そんな詩にも優しさを感じる。みすゞの詩の根底に流れるのは生けるものや自然に対する慈悲、慈愛といったもの。だから、どの詩にも優しさが溢れている。
そんなみすゞの数ある詩の中でも私が一番好きなのが、「明るいほうへ」という詩。
この詩の持つ意味は、誰にでも分かりやすいものだと思うが、意味なんて人によって捉え方が違うものだから、大して重要なことではない。
私にとって、この詩の一番の肝は「明るい方へ 明るい方へ」という言い回しである。この言い回しの持つポジティブな響きがたまらなく好きだ。
どんな苦境の中でも、どんな落ち込んだ時でも、この言い回しを頭の中で唱えると、不思議と明るい方へ行きたくなる。これまで、どれだけこの言い回しに助けられたことか。どれだけ元気づけられたことか。
おかげで、ここ何年か前から、少しでもポジティブでいられるように、この言い回しを毎日のように頭の中で繰り返し唱えている。
さあ、明日も良き日でありますように。「明るい方へ 明るい方へ」。
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