風物詩
私と変態小野は、課は違うが同じ職場である。
私の席は通路のすぐ側にあり、私のすぐ横を人が往来している。変態小野も当然、私の横を通る訳で、その時私はいつも「頑張るんぞ!」と、声を掛けている。
別に変態小野に頑張ってもらいたいから声を掛けるわけではなく、ただ何となくからかい半分に掛けているだけなのだが、アホな変態小野は、本当に私がそう思って言っていると思ってか、最初のうちは結構嬉しがっている。
しかし、変態小野は私の横を日に20~30往復はしているだろうか。横を通る度に同じことを言われ続けるので、さすがにアホで気の長い変態小野もウンザリしているようだ。
しかも、最初は変態小野も「頑張ります!○○さんも頑張ってください!(私のこと)」と、適当に受け答えをして済ませていたのだが、最近は私の要求が多くなり、「○○さん”も”とはどういうことだ!だいたい、頑張っている人に”頑張ってください”と言うのはおかしいやろ!”さらに”とか、”ますます”という言葉を頭に付けろよ!」と言うようになったので、更にウンザリしているようだ。
「もういい加減にこの無益な会話はやめにしませんか。」と、変態小野に言われること度々だが、意味の無いことを面白がる私の性分と、私と変態小野とのやりとりの光景が職場の風物詩になっていることから、小野の言葉には耳を傾けていない。
変態小野には気の毒だが、仕事をしていないと思われようが、人事異動でお互いが離れ離れになろうが、この会話はどちらかが死ぬまで続くことだろう。
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