節目

“まさか、大晦日に関門橋のイルミネーションが見られるとはねぇ!”下関市内へ向かう車中で、関門橋を見ながらそう思った。

不慮の出来事で、急遽下関へ行くことになったのだが、前向きな私は一年の最後の日に自分の好きな関門橋のイルミネーションが見られることを素直に喜んでいた。

おまけにこの日は、ここ数年では珍しい年末の雪だった。私は、激しく吹雪く雪に見惚れてもいた。寒いのは暑いのよりも好き。だからというわけではないが、雪も好きである。

思えば、人生の節目には、必ず雪があった。

昔付き合っていた彼女と別れた時は大雪だった。

病気で入院して、あまりよろしくない状態になった時も雪が降っていた。

嫁さんと籍を入れる時も雪が降っていた。

その他にも多々あったが、この日も例に漏れず雪。

この事が、何かの節目とは思わなかった。だが、この時は、これが来年に何か節目となるようなことが起こる予兆ではないかと思った。

思い込みかもしれない、たまたま雪が降っていた時にいろいろあっただけなのかもしれない。でも、何となく今年が人生の節目の年となるような気はしている。


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