ここは、カイオウの城。

カイオウと闘っているのはケンシロウ=私。

私の攻撃は、カイオウの魔闘気で、ことごとく無力化される。殴っても、蹴っても、霞を殴っているかの如し。

そのうち、カイオウの反撃に遭い、ボコボコにされる私。

“これはカイオウとの最初の闘いで、とりあえずここは闘いに敗れてしまうが、そのうち仲間のシャチが助けてくれるはず。”と、ボコボコにされながらも余裕の私。

私が小学校5年生の時に少年ジャンプで連載が始まった北斗の拳。当時、毎週欠かさず見ており、単行本も全巻持っていたこともあって、その展開は熟知している。

そして、漫画の展開どおりにシャチが現れた。

“さあ、俺の代わりにボコボコにされて、そして俺を逃がしてくれ!”と、心の中で叫ぶ私。

だが、私を助けに来ようとしたその時、石につまづいて転んだシャチは、そのまま死んでしまい、私を助けることはなかった。

“えっ!何で転んだだけで死んじゃうの?漫画の展開と違うじゃん!”と、焦る私。

「残念だがぁ!これで誰もお前を助けてくれる奴はおらんがや!」と、何故か名古屋弁で嬉しそうに叫ぶカイオウ。

カイオウの攻撃は、更に激しさを増し、何百発、何千発とパンチを打ち込まれる私。

薄れゆく意識の中で、”いくら北斗神拳継承者の頑強なボディーでも、これだけパンチを打ち込まれたら死んでしまうじゃん。死んじゃったら、カイオウにリベンジ出来んじゃん!”と、更にあせる私。

渾身の一撃を喰らい、「あっふぅっあっ!」と、断末魔の叫びをあげたとたんに目が覚めた。

しばらくは、現実との区別がつかずに茫然としていた。

そう、これは夢の中でのこと。

展開どおりにいかないところが、格好良くいかないところが、私らしいといえば私らしい夢なのだけど。

何の因果で、こんなアホな夢を見るのだろうか?

また、何で今頃”北斗の拳”なんだろうか?


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