別れの言葉

イギリスへ旅立つ前に家族と久枝ちゃんと一緒に食事をした。そして、居候しているメロディーの家に送った時、別れ際にアニーが真顔でこう言った。

「寂しいね。」と。

それを聞いて、寂しく思ってくれることを有難いと思った。だが、私はそんなに寂しくなかった。

いつかまた会えるのに、強いアニーのことなら遠い地でも元気でやっていくに違いないのに、何を寂しがる必要があろうか。

何かあれば電話もできるし、メールだってできる。漢塾のホームページのアドレスを教えたので、それを開けば、私達の近況は分かる。

また、その人のことを思えば、その人はいつでもすぐ傍に来てくれる。時間も距離も関係ない。思いは、全てを越える。それを分かっていれば、寂しがる必要はない。

だから、私は去り際に「またね!See you again!」とだけ言った。

永遠の別れもある。だが、一時の別れは私にとっては、再会を与えてくれるイベントでしかない。・・・とは強がってみたものの、やはり少し寂しいかな。


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