再会

遠くから見ると、”もしかすると、あいつかな?”と思う程度だった。近くへ確かめに行って、ようやく中学の時の連れだということが分かった。こいつとは、これまで2年に一回くらい、道すがらバッタリ会ったりしていたので、最近の顔と近況くらいは分かっていた。

しかし、久々に会ったこいつは別人だった。

元気が無い。というか、顔が病んでいた。

自分でも”鬱かもしれん。”と言っていた。

その理由は、こいつから聞いて分かった。

なかなかヘヴィーなことだった。

他人事と言えば、他人事だが、これは私にだって起こりうること。ここで会ったのも何かの縁と思い、「これは、バリバリ体を鍛えて吹っ切るしかないど!うちに筋トレやりに来いや!」と言った。

そいつ「36歳になって鍛えてもマッチョになるかねぇ。」

私「なるいや!何歳から始めても遅いということはないど。」

そいつ「じゃあ、やってみようか。」

近々、一緒に筋トレをやろうということで、携帯番号を交換して、そいつとは別れた。

人生歩いていけばいろいろとある。誰にだって何らかしらのヘヴィーなことはある。

ヘヴィーなことは、すぐに忘れられやしない。また、そのことからも逃げられやしないし、癒すための何の特効薬も無い。しばらくは、そのことに悩まされることだろう。

だが、どんなに傷口が大きくても、いつかは傷口が塞がる。死にさえしなければ、塞がらない傷口なんて無い。傷跡は残れど、いつかは立ち直れる。

だから、今はこの状況に耐えるしかない。

私は、自分に降りかかる程度のことなら、耐えれば、逃げることさえしなければどうにかなると信じている。

ただ、今のこいつの状態では、一緒に筋トレをやることは、まず無さそうである。


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