性質

家を出て、50mぐらいしか走らないうちに雨が降ってきた。しかも、ドシャ降りの雨である。

信号待ちをしながら考えた。

“家に傘を取りに帰った方がいいかな?”と。

だが、自転車の傘さし運転は道交法違反だ。

それなら自転車に乗るのをやめて、傘をさして歩いて行こうかとも思ったが、歩くと時間がかかる。職場への到着時間もギリギリになるため、職場に到着してからのくつろぎタイムが無くなるから面白くない。

そして、何よりもわずか50mしか距離がないとはいえ、家に帰るのはとてつもなく面倒臭かった。

この時点で私の気持ちは決まっていた。

また、幸いなことに、その気持ちを後押しするが如く、信号が青に変わった時には全身ビショ濡れになっていた。

“ここまで濡れれば、今さら傘をさしても意味がない。そのまま行ってまえ!”と、吹っ切れて、雨の中を濡れながら走った。

おかげで、職場に着いたときは、更に水も滴る良い男になっていた。

野蛮人の私でも、雨に濡れるのは嫌だ。

でも、一旦濡れてしまうと、どうでもよくなる。

アホなのか面倒臭がりなのか、吹っ切れやすいのか。

残念ながら、これが私の性質である。


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