ご利益
アホの末が、久々に土日の両日を休めたということもあり、一緒にマウンテンバイクで山の方へツーリングに行った。
その際、休憩中の時にアホの末が、こいつらしからぬ神妙なことを口にした。
「この一年半ほど、尋常じゃない時間の残業をしてきたけど、くじけたり嫌気がさした時に、四国八十八ヶ所霊場の難所のことを思い出したら、”これぐらい大したことない!”と思えるようになって、気持ちの面では随分救われたいや。」と。
それを聞いた私は、”こいつが期待に反して、なかなか倒れない理由は、これか!”と思った。
アホの末の仕事である苛酷なデスクワークと苛酷な肉体労働の難所越えを単に比べることはできないが、その根本にある”辛いことを耐える”ということにおいては全く同じことである。
連日続く難所は私達を心身共に激しく疲弊させた。お遍路の最中は、”何で俺は有休まで取ってこんなことやっとるんやろ?”と思ったことも多々あった。
確かにあの”死ぬんじゃないか!”と思うほどのマウンテンバイクを抱えて行う難所越えの精神的・肉体的苦痛に比べたら、精神的苦痛だけの残業の方が、まだいくらか楽に思える。
あれから5年が経ち、今となっては良い思い出となったし、あの経験がいつかは何かの役に立つとは思っていた。だが、まさかこんなところで役に立っているとは。
あの経験が無ければ、アホの末はとっくの昔に倒れるか登庁拒否になっていたはず。
アホの末よ!これもお遍路のご利益と思い、そうなってないことを、今無事であることを感謝せぇよ!
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