こわい話
身内に起こったことである。
ある日、花子(仮名)は、新しく家に設置した電話器できちんと通話が出来るかどうかを試そうと、受話器を耳にあてながら自分の携帯電話に電話をしてみた。
携帯電話は、目の前に置いてあり、当然すぐに鳴るものと思われた。
だが、そうはならなかった。
電話は鳴ることなく、すぐに誰かが電話に出たのである。
相手は、「はぁ~!?」と、覇気の無い声を出すと、すぐにプチッ!と電話を切った。
花子は、予想だにしないことに面食らった。
そして、「何?何?今のは一体なんだったの?女の人の声だったけど!」と、つい声に出してしまった。
しばらくして、落ち着いた花子は、”あれは、間違って他人の携帯電話に電話したに違いない!”と、思い込み、一応、着信履歴があるかどうかを確認しようと携帯電話を手にした。
一応、確認するだけだから、楽な気持ちで折りたたみ式の携帯電話を開いたのだが。
何と!携帯電話の画面には、しっかりと花子の家の電話番号が着信履歴として残っていたのである。
「ええっ!自分の携帯にしっかり電話してるじゃん!じゃあ、私の携帯に出た人は誰?家には、私しかいないのに!」と、花子は、また一人よがりの声を出した。
今度は、恐怖を覚えた。
携帯は自分の目の前にあり、自分以外に誰もいない家では、自分以外の誰かが出るなんてことは、絶対に有り得ない。
その有り得ないことが起こったのだから、いくら不思議なことに慣れた花子であっても恐怖を覚えるのも無理はなかった。
また、その出来事があってから床に就くまでに4回の無言電話があったという。
花子は、こういう信じられない体験談をたくさん持っている。
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