自分の時間

妻と一緒にいる時は、大好きなメタルが聴けない家にいる時も一緒にクルマに乗っている時も常にそうだ。

ただ、一緒にクルマに乗ることは少ないので、クルマで聴けないのは大した問題ではない。

“家で聴けないこと”このことの方が私にとっては大きな問題だ。

うちは、ラジオや音楽の方を好んで聴く世帯である。あまりテレビを見る家庭ではないからテレビのチャンネル争いというものは存在しない。

しかし、だからといって音楽やラジオの主導権争いというものが存在するわけでもない。

結婚した当初から、何を聞くかの主導権は妻にあるからだ。

当然、私の意見など通らない。何を言っても却下される。

強行突破しようものなら、力でねじ伏せられる。

結局、争いの嫌いな私がいつも我慢するようになる。

そんな、抑圧された私の欲望が解放されるのが、妻が外出する時と風呂に入っている時だ。

妻が外出する時も風呂に入る時も、「どうぞ心ゆくまでごゆっくり!」と言ってやる。

そして、妻が部屋を出たことを確認するやいなや、ここぞ!とばかりにゴリゴリ系のゴッついのを大音量でガンガン聴く。

誰にも邪魔されない、好きな音楽を聴ける自分の時間。

こういう時間も要る。


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