出会いがしら

嫁さんと萩市の某所に散歩に行った時のことだ。

田んぼの方に何かの気配がしたので、田んぼの方を振り向いて見た。

何と!エテの大群が田んぼから山の方に向かって一目散に走って逃げていたのである。

おそらく30匹はいた。

どうやら田んぼで落穂を拾って食っている最中に、私達が傍を通りかかったものだから、驚いて逃げたらしかった。

エテ達は、40~50m走って逃げると、山裾の辺りで止まり、こっちを見た。

私達も面白いから、立ち止まってエテ達を観察した。

エテ達は、その場から動こうとしない。

その場から動かないのは、私達が去ったら、また田んぼに戻って落穂を食おうと思っているからだろう。

それが分かっていたから、意地悪して、その場にしばらく留まった。

やはり私達がいると、遠慮してか、それとも恐れてか、全く田んぼに入ろうとしない。

5分ぐらい眺めていると、さすがに山裾で固まっているエテ達が可哀想になり、その場を離れた。

幾らか歩いて、後ろを振り返ると、エテ達はもう田んぼに入って、せっせと落穂拾いに精を出していた。

エテ達は、山が痩せて食い物が少ないから、人里まで下りて来たのだろう。

近頃、この近辺では農作物を食い荒らしたり、人間を怪我させたりして、悪評の高いエテ達であるが、懸命に落穂拾いをしている姿を見て、悪い感情は湧かなかった。

自分が被害被ってないから、そうなるのだろうけど。

あの時のエテ達は、むしろ可愛く見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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