始めに

漢塾は今から5年前に私と末とパゲの3人でサブミッション・グラップリング・アカデミー(以下SGA)という格闘団体を喧嘩に強くなりたいがために立ち上げたのに端を発する。格闘団体とはいっても、市民体育館で筋トレをやったり、K-1やPRIDEといった試合を観戦するだけのもので、活動の範囲は非常に狭いものであり、活動目的の志も非常に低いものだった。

SGAという活動の範囲が限定されているものをもっと活動範囲を広く、もっと多くの人と共にと思い、SGAを吸収するような形で立ち上げたのが、今の漢塾である。

活動目的も「漢」を目指すことに変えた。坂本竜馬を主人公にした漫画を読んで深い感銘を受けたのが「漢」を目指すことにした理由だ。

漢塾の活動は、それ自体が漢になるためのものではなくて、これから自分に起こり得る漢になるための試練を乗り越えるための強い心身を培ったり、様々な経験から智恵を培ったりすることを目的としている。

創始者として塾長の座に就いた私だが、塾長だからといって私が一番、漢に近いわけではない。塾生達も同時に漢を目指し始めたのだから、最初は皆、横一線だった。

漢塾を立ち上げてから1年半、既に横一線というのは崩れている。誰がすごいとかいうことではないが、ある者は、肉体面が飛躍的進歩を遂げたり、ある者は精神面が飛躍的進歩を遂げていたりもする。おまけに塾長の私より、小遣いが多い者も出てくるようになった。

塾長としては、塾生の成長も嬉しいが、それよりも「おもしろくなき世をおもしろく」、「漢」を目指すという、漢塾イズムが塾生達にしっかり根付いていることに一番喜びを感じている。

その2つがしっかり根付いてさえいれば、これからどんな辛酸をなめるようなことがあっても、漢になるための試練があっても大丈夫だ。何故なら漢になるという目的があるのだから、何があろうと、目的に向かって歩んで行けばいいのだから。 今後の精進次第では、竜馬や晋作のようにはなれなくとも、世間一般の漢と呼ばれる人のようにはなれるかもしれない。そのことを胸にこれからも漢を目指して共に精進しようではないか。


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