漢 川畠さん

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姉御達と川畠さんに会いに行った。

川畠さんは、私が知る中でも最高の漢と呼べる人で、世界的に有名なバイオリニストでもある。

初めてお会いしたのは、2年前に姉御にコンサートに連れて行ってもらった時だった。

コンサートの後にお話させて頂いたのだが、その時は、失礼だが、近所の兄ちゃんという印象を受けた。それも川畠さんの気さくで飾らない性格と、それだけの地位にありながらも、決して驕らない姿勢が、私にそう思わせたのだと思う。

それから、川畠さんの人間と音楽のファンになり、何回かコンサートにも行かせていただいた。行くたびに川畠さんは、人間としてもバイオリニストとしても、どんどん大きくなっておられた。

最後に川畠さんとお会いしてから、半年が経った。今回も、また、川畠さんとお会いできるという有難い機会を頂けた。私は、この日を楽しみにしてきた。

この半年間いろいろあった。今年こそは、アームレスリング大会で優勝するために、いつも以上に鍛えてきた、漢塾のホームページも開設した、四国八十八ヵ所遍路もした、自分というものを以前よりは見つめるようになった、人との出会いもあった。

様々な要素が自分を変える。もしかしたら、少しは変わったのではないかと思われる自分を見ていただきたかった。

姉御達との川畠さんに会いに行くまでの道中は、楽しかった。川畠さんにお会いできるのも、姉御あってのものだ。このことに対する感謝は、いくら感謝しても足りるものではない。

時間があったので、途中、草千里に寄った。雄大な景色、この草原には、萩の三角州がすっぽりとと入りそうだ。ここに来たのは、何年ぶりだろう。当時に思いを馳せながらも、記念撮影した。

会場に着いたのは、開場の1時間半前。まだ誰も来ていない。姉御達と、どう考えてもバカなことばかり話していたら、時間はすぐに過ぎた。後ろを見ると、いつの間にかすごい列ができている。

田舎なのに、こんなにもたくさんの人が来るとは、やはり川畠さんはすごい。

席は自由席なので、開場と同時にダッシュでホールに入って、一番前の席を取った。これで、バッチリだと思い、ドキドキしながら、開演を待った。

開演時間ピシャリに川畠さんが出てこられた。以前とお変わりなく、凛とした立ち姿だ。演奏が始まった。 川畠さんの一つの動作も見逃すことなく、くいいるように見つめる。

動作の一つ一つがプロそのもの、非常に格好良い。クラシックの曲や、ヴァイオリンの技術的なことは私は知らないが、川畠さんの音は心に染み入る。身を委ねることのできるすごく心地良い音だ。

040522_2105聞くたびに、違って聞こえるのは、演奏する側と、聞く側の両方に関係があるのかなと思いながらも、素晴らしい時間は過ぎていった。

しばらくは、あの素晴らしい音と離れると思うと寂しさも募る。ホールを出て、サイン会が終わるのを待った。何回かお会いしているとはいえ、やはり、お会いする前は緊張する。

最後の人が終わるのを見届けて、姉御が声をかけたので、私達に気付かれて、声をかけてくださった。「おお!川畠さんだ!」と子供のように感動する。世界の川畠と言われる人に自分の名前を覚えていてもらえるのは、この上なく光栄なことだ。 コンサートが終わって、疲れておられるところを私達のために、時間を作っていただけることは、本当に有難い。

お話したいことは、たくさんあったが、緊張して、話したいことの半分も言えなかった。写真を一緒に撮らせて頂いたり、握手をしたりして、夢のような時間はすぐに過ぎ去った。

握手をした時に私の手を強く握られて、かなり握力があるなと感じた。本人は謙遜して握力はたいしたことはないと言われたが、結構あるように思えた。

その力強い握手には、気持ちがこもっていて嬉しかった。

川畠さんは、鋼の精神力を持つ漢の中の漢である。世界中を飛びまわられて、忙しい現在も、精進に精進を重ねておられる。妥協を許さない、あくなき、自分の追及。その姿勢は、同じ男からみても格好良過ぎるほどに、格好良い。

だから、川畠さんに会うと、自分も頑張らなければならないという気になる。やることや、やることのレベルは違えど、頑張れば、自分にも何かができるんだという気になるのだ。

コンサートも川畠さんも相変わらず素晴らしかった。

今度、川畠さんにお会いするまでには、俺も一回り大きくなって、会いに行くぞと、自分に宿題を課して会場を去った。


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