最近あった猫に関する話を2つほど。まず最初は、ジョイ(実家で飼っている犬。齢16歳)を散歩に連れて行った時のことだ。あるアパートの前で「ウ~ッ!」と唸ってジョイが立ち止まった。何がいるのだろうと、ジョイが唸っている方を見ると、それは、柴犬ぐらいの大きさはあろうかというウルトラビッグな猫だった。

よく肥えてはいるが、ただのデブ猫ではない。人間で言えば、相撲取りを思いおこさせる体格で、横綱の朝青龍にも似た強い猫の雰囲気を漂わせていた。

うちのジョイが威嚇しているのに、やけに落ち着きはらっていて、逃げる気配もなく、逆にジョイを鋭い眼つきで威嚇している。猫のくせに生意気な奴だと思い、「ジョイ!好きにしてええぞ、脅かしてやれ。」と言って、ジョイを離した。

ジョイは、すぐさま猫に飛び掛ったが、その瞬間、猫が「シャアッー!」と唸って、右前脚で猫パンチ一閃!猫パンチは当たらなかったものの、猫のその一撃でジョイはびびってしまって、クンクン鳴いて私のとこへ戻ってきてしまった。

なんたる醜態!いくらウルトラビッグな猫とはいえ、ジョイの方が二回りも三回りもでかいのだ。「お前、犬が猫に負けてどうする!もう一回戦え!立て!立つんだジョイ!」とジョイを叱り、首紐を引っ張って、無理やり猫の前に連れ戻そうとするが、ジョイは後ずさりして、猫の方に行こうとしない。これでは埒があかないと思い、ジョイを抱えて、猫のとこまで持って行き、猫の正面に置いた。猫は、自分が勝ったことを悟ったのか、もうジョイに対して威嚇はせず、ジョイの方を見てジッとしたままだった。

情けないのはジョイである。下を向いて猫と目を合わせようとせず、その場を一刻も早く離れようと、もがいていた。ジョイの顔を無理やり猫の方に向けると、情けない声を出して鳴くので、こりゃダメだ、勝負あったと思い、猫の頭をナデナデしてその場を去った。

おそらく、アパートの住人の飼い猫だと思うが、どういう育て方をしたら、あんなストロングな猫になるのだろうか。あの切れ味鋭い猫パンチといい、自分より大きい犬にも怯まない肝の据わりようといい、ただ猫ではない。猫の世界では、かなりの大物だろうと感じた。

もう一つは、一昨日に見た光景だ。ある飲食店に行こうとして、その店に向かって歩いていると、店の前に猫が2匹でゴソゴソ何かやっていた。その時は、どうせ交尾でもしているのだろうと思ったが、近づいてビックリした。何と!片方の猫が座り込んで、その座り込んだ猫の肩や背中をもう一方の猫が前足で叩いたり揉んだりしているのだ。しかも、その叩き方や揉み方も同じ動作を繰り返すだけではなく、いろいろとバラエティに富んでいるのだ。座った猫は目をとじて、すごく気持ち良さそうにしていた。その光景は、近くで私が見ていても、しばらくは続けられた。

そのうち、近くで私が見ていることに気付き、2匹とも私に擦り寄ってきた。気のせいだろうか、私と目が合うと、2匹とも一瞬笑ったような表情に見えた。2匹とも年老いた猫で、なついてくるので可愛いかった。頭をナデナデしてやってその場を去ると、また同じことをしていた。ただジャレてやっているだけなのかもしれないが、見たことない光景なので、面白かった。

もともと犬が好きな私は、猫が嫌いだったが、このようなことや、これ以外にも猫がらみのことが多々あったため、最近では猫もいいなと思い始めている。


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