努くん

仕事で、某アパートに行った。部屋のドアを開けて何やらゴソゴソしているゴリラみたいな太い腕の人がいたので、「こんちは!」と言って自分の仕事をしようとしたところ、「○○君じゃないか!」と、その人に声をかけられた。

俺のことを知っているとは何者だと思って、その人の顔をよく見ると、その人は、一年前までたまに顔を出していたアームレスリングの練習会で世話になったドンキーさんだった。一年ぶりの再会であった。

ドンキーさんは、某有名住宅メーカーの営業マンである。営業マンだから、家やアパートを売るだけかと思いきや、売った後の家やアパートのメンテナンスもやるそうである。それで、この某アパートへ来ていたらしいのだ。

ドンキーさんは、筋トレおたくで、同じく筋トレが好きな私と良く気が合うため体を鍛える話をしだすと、お互い話が止まらなくなる。だから、仕事中ということも忘れて、結構長く話し込んでしまった。

話題は、筋トレとアームレスリングの間を行ったり来たりだったが、その話の中で、ドンキーさんがインターネットのオークションで購入したアームレスリング台を私に破格の安値で譲ろうかということになった。

私の少ない小遣いでも余裕で買える金額だったことと、以前から、来週の漢塾アームレスリング大会や、もしかしたら実現するかもしれない夏祭りのイベントでは、正規のアームレスリング台を使用したいと思っていたので、その話にはすぐに喰いついた。

アームレスリング台を作るには、大変な時間と労力がかかるし、買うにしても私の少ない小遣いでは、何回かローンを組まなければならないほどの高額である。金も労力も使わずに、アームレスリング台をどうにかGeTしたいと思っていた私には正に渡りに船、願い叶ったりのことだった。俺って本当に運が良いとも思った。

ドンキーさんは、今週中には私の元へアームレスリング台を届けてくれるという。今からアームレスリング台が手元に届くのが楽しみであるが、気の早い私は、まだ見ぬこのアームレスリング台に、私の好きな言葉である「努力」という言葉から「努」という字を抜きだして「努くん」と命名することにした。

来週の漢塾アームレスリング大会では、この努くんの上で、数々の熱戦が繰り広げられることであろう。


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