超巨大ダコ
学名オクトパス・ギガンテウスというタコがいる。バハマ諸島周辺のブルーホールと呼ばれる海域に生息するといわれるこのタコは、100年前にその死骸が、フロリダ州の海岸に打ち上げられたことで、その存在が明らかになった。全長は両足を広げた状態で60m、体重は20tを越えるものであったらしい。その後の科学的な調査によってもその存在は間違いないものとされている。
しかし、60mとは超巨大なタコである。一体、本当にタコがそんなに大きくなるのだろうかと、疑問にさえ思う。基本的に、ワニやアナコンダなどの水棲爬虫類は、餌が豊富にあるとか、外敵からの危険にさらされないという条件さえ整えば、かなり大きくなる。実際、10mのイリエワニや40mのアナコンダという超巨大なものも確認されているぐらいだ。
それは、シロナガスクジラやダイオウイカといった海に棲む大型生物も同じで、水中では重力による制約が陸よりも遥かに少ないため、陸上生物よりは大きくなりやすいのである。だが、このタコの場合は、桁違いの大きさなので、普通のタコが巨大化したものと考えるより、むしろ、もともとそれだけ大きくなる種であると考えた方が良いだろう。
私は、このオクトパス・ギガンテウスの存在を知った時に生け捕りにしてみたいと思った。この超巨大タコを水族館でお披露目したら、ものすごいインパクトがあるし、何よりも自分がこの目で見てみたかったからである。
このオクトパス・ギガンテウスを捕まえるには、100t以下の大きさの船では、海中に引き込まれてしまう恐れがある。少なくとも、1000tを越える規模の捕鯨船にロケットランチャーやガトリング砲などの重火器を装備したものでないと、捕獲は無理だ。
それに、生息していると思われる海域の入念な調査や、目撃者からの詳細な聞き取りが必要となる。今のところ、何を食って、どのくらいの深さや範囲に生息し、どの時間帯に活発に行動するかなどの生態が一切分かっておらず、ゼロからのスタートとなるため、この超巨大タコの捕獲は困難を極めるものと思われる。捕獲には運が良くて数ヶ月、運がなければ何年も何十年もかかるかもしれない。しかも、それにかかる資金も莫大なもので、何百億から何千億円という、途方もない金がかかるのは間違いない。
一体そんな莫大な資金を誰が出すのか?捕まえられるか捕まえられないかもわからないものにそんな金を出す者は誰もいないだろう。ビル・ゲイツを除いては、個人でそんな資金はとても賄えるわけもなく、この超巨大タコの捕獲も今のままでは夢物語である。
そこで思うのは、アメリカなどの大国が、戦争などに軍を使わずに、こういう超巨大タコや他のUMA(未確認生物)の捕獲に軍を使えばいいのではないかということだ。
軍を導入すれば、UMAの発見も捕獲も容易にできるはずだし、また、そうやってたくさんのUMAの存在が明らかになった方が、夢があって世のためにもなるに違いない。
過去には、UMAとされていたシーラカンスもマウンテンゴリラもコモドドラゴンも20世紀になってその存在が明らかになった。それなら、21世紀も何かUMAが捕まってもおかしくない。それがオクトパス・ギガンテウスであることを祈るし、私もそれに何らかの形で関われたらと、夢みたいなことを思っている。
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