あくなき闘い

夏場の筋トレは嫌だ！なるべくならやりたくない。汗が滝のように出て、いつもより体力を消耗するのも嫌だが、それよりも何よりも屋外で筋トレをする私にとっては、蚊に刺されるのが一番嫌である。

蚊の奴は頭が良い。スクワットや腹筋などの、体を激しく動かす運動をしている時は、刺してこない。ベンチプレスやカールなどの止まった状態で、体の一部分を動かす運動をする時を狙って刺してくるのだ。特にベンチプレスをしている時を好んで狙ってくるようで、この時に狙われると、とてもやっかいだ。何故なら、カールなどをしている時は、体に蚊がとまっていようものなら、途中でやめてぶっ殺すことができるのだが、ベンチプレスをやっている時は、途中でバーベルを持った手を離そうものなら、自分の上にバーベルを落とすようになり、大変危険だからである。

私は耳元で蚊のぷ～んという音がすると、条件反射で叩こうとする。実際、叩こうとして胸の上にバーベルを落としたことが一回だけあった。この時は、重量の軽いバーベルだったから事なきをえたが、これが重量の重たいバーベルだったら、命に関わることになっていたかもしれなかった。

それ以来、ベンチプレス中には蚊に気を囚われまいと、気をつけるようにしている。しかし、蚊が自分の体に止まって血を吸っているのが分かるのに、手を出せないのは拷問のようなものだ。それでも、自分の命には代えられないので、我慢するしかないのだが、時にどうしても手を離して叩きたくなる衝動にかられる時がある。

そこで、そうならない対策として、蚊取り線香の煙が自分の方へ来るように風上に置いて、しかもベンチプレスをする前に目に見える蚊は極力叩きつぶすようにしている。だが、それでも、それらの警戒網を潜り抜けて私に到達する奴がいるからどうにもならない。

それならばと、殺虫剤を撒いたり、蚊取り線香を二つ置いたりといろいろとやってみたが、あまり効果はなかったので、今ではあきらめて蚊に刺されるのを我慢してやり、終わった後に自分の周りの蚊を叩きつぶすようにしている。

蚊が少なくなるまで、あと2ヶ月。まだまだ、蚊との闘いは終わらない。

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