きっかけ

ブルース・リーに憧れて、喧嘩に強くなりたいと思った。それがきっかけで、中学1年生の頃から筋トレをはじめとする各種トレーニングを始めた。

多分、私は人と価値感が違う。勉強やスポーツで、人に負けても悔しくないし、自分のことをアホだ馬鹿だゴリラだと言われても、その通りと思うだけで腹は立たない。それよりも、力や喧嘩で負ける方が悔しいし、腹も立つ。だから、少しでも喧嘩に強くなるために、中高生の頃は、勉強もしないで、日に2時間も3時間もトレーニングに時間を費やしたし、大学生の頃も、バイトや部活で忙しかったものの、暇をみつけてはシコシコとトレーニングに精を出していた。

残念ながら、トレーニングの成果を実戦で試すことは殆どなかったものの、その鍛えられた体とパワーは学生の頃は、ラグビーで、現在ではアームレスリングや自転車、格闘技といった別のもので活かされている。

これらのものはどれも、私にとってはとても重要なものだが、今でもトレーニングを続ける一番の目的はあくまで、「喧嘩」なのだ。

しかし、いくら喧嘩が強くても、心の強さや優しさがないと、漢とはいえないことは分かっている。そして、自分は、これからは体を鍛えるよりは、むしろそういうものを養っていかなければならないことも分かっている。

漢を目指すことと、喧嘩に強くなることは全くの無関係である。というか、矛盾している。何故なら、漢は喧嘩なんてしない、人を傷つけることなんてしない、やられたらやりかえすということはしない、喧嘩に強くなりたいなんて思わないからだ。だが、そんな矛盾を分かっていながらも、やはり喧嘩に強くなりたい!という子供じみた願望は消えないのだ。

喧嘩なんてしたくないし、これからも、まず、することはないだろう。しかし、そういう肉体的強さへの憧れというものは、私の性質上、いつまでも持ち続けるに違いない。そして、それがある限りは、ジジイになっても体を鍛え続けることだろう。


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