初夢

初夢を見たのは、1週間ほど前のこと。元旦にとはいかなかったが、確かに見た。もしかしたら、記憶に残らない夢も含めたら、あれが初夢ではなかったかもしれないが、鮮明に記憶に残るものでは、あれが最初だった。

その夢の内容とは、こうである。山の中を歩いていたら、目の前を二匹の猪が横切った。これは襲われるかも!と、身構えたものの、猪はそのまま去って行った。まるで何かから逃げるような感じではあったが、その時は何であんなに焦っているんやろう?ぐらいにしか思わなかった。

だが、助かった!と思ったのも束の間、猪が走って出てきた左の茂みを見ると、全長が3mはあろうかという巨大な虎が出てきたのである。「猪はこいつから逃げていたのか!でも、何で日本に虎が?」と思ったが、現実に目の前に虎がいるのである。それも恐ろしいぐらいのリアリティーを伴って。夢の中では、これが夢か現実かの区別はつかないから、とてつもない恐怖を感じた。

「どうしよう?逃げても逃げきることはできないし、死んだまねをしても虎には通用しないだろうし。」そう考えているうちにも虎はジリジリと近づいてくる。虎に睨まれて、体が硬直して動けない。虎との距離が10mぐらいになったところで、もうダメかもと思ったその時だ。「飛び乗れ!」と言って、私が進もうとしていた方向から2台のマウンテンバイクが走ってきたのである。渡りに船と思い、すぐさまマウンテンバイクの後ろに飛び乗った。

マウンテンバイクの後ろには荷台はないのに2人乗りできているのは何故?マウンテンバイクに2人乗りするよりは、走った方が速いのでは?と疑問に思ったりもしたが、そこは夢の中のこと。様々な矛盾を抱えながらも虎からは離れることが出来た。が、虎は執拗に追ってくる。

私は、マウンテンバイクに乗って現れた2人を知っていた。でも、それが誰かは分からない。けれど、知っていたのだ。しかし、この2人はおかしな行動をとる。虎との距離が開いて逃げ切れそうになると、わざと止まって虎が来るのを待つのだ。「何で虎を待つの?このままじゃ食われるじゃん。早く行こう!」と言っても2人は聞く耳を持たない。そのうち虎が追い付いてくる。「殺られる!」と思ったら、また走りだす。そして、また止まる。そういうことを何度も繰り返すうちに、私もだんだん虎が怖くなくなる。「もしかしたら、こいつに勝てるかも?」そう思った私は、この繰り返しが嫌になってマウンテンバイクから降りて虎と向かい合った。

だが、闘う決意をしたものの、私は虎と闘う武器を何も持っていなかった。いくら勝てるかも?と思っても素手では勝てるはずもない。また、「どうしよう?」と思ったところで夢から覚めた。

これが夢で良かったと思ったが、これの意味するところは何なのか悩んだ。チグハグな夢だから、自分の潜在意識や記憶の中のものがごちゃまぜになって夢という形になったのかとも思うし、もしかすると意味のある夢なのかもしれない。限りなく前者の可能性が高いとは思うのだが、どうなのだろう?

初夢がこんな夢で、今年をどう占えというのか!まあ、そんなもので運勢を占おうというのが間違っているのかもしれない。よく考えたら、今まで生きてきて、悪かった年なんて一つもない。それどころか、年を経るごとに新たな喜びや楽しみが増えているようにも思う。だから、今年もいつにも増して良い年であることは間違いない。


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