プラス思考

新幹線に乗るために新山口駅へ行った。駅へ行くまでの交通手段は、マイカーである。駅の周りにはたくさんの駐車場があることが予め分かっていたので、余裕でクルマを停められるものと思っていた。

が、私の考えは甘かった。駅周辺どころか、結構離れた場所にある駐車場でさえ、全て満車だったのだ。

その日は3連休の初日。冷静に考えてみれば、誰もが旅行やレジャーに繰り出すので、それは当然のことであった。

だが、駐車場が満車とはいえ、簡単に諦めるわけにもいかない。3日間も路上駐車をするわけにもいかないし、マイカーを置くために萩まで帰る時間的余裕もないのだ。(萩~山口間は約50㎞。クルマで1時間かかる。)

どうにかマイカーを停めてやろうと、何ヶ所かの駐車場を1時間ぐらいかけて巡回したのだが、どの駐車場の入口も出車待ちのクルマで溢れていた。

ただ、どの駐車場も連休初日の午前中では、出車するようなクルマは皆無で、出車を待っている人達にとっては、絶望的な状況であった。

この絶望的な状況をどう打破する?私は少ない脳みそをフル回転させて必死に考えた。なかなか良い案が思い浮かばなかったが、そんな絶望的な状況の中でも、既にマイカーを何処かに停めて、新幹線に乗って優雅にくつろいでいる自分の姿をイメージしていた。

そんな中、やっと思いついたのが、山口市在住の次男のアパート(駅から10㎞ぐらい離れている。)にマイカーを置かせてもらって、駅まで送ってもらうというプラン。

思いついたが吉日、すぐに弟に電話した。ところがである。弟はすぐに電話に出たものの、アパートにはおらず、所要で大分市に滞在中であった。

私の目論見は、ここで脆くも崩れ去ったと思われたが、ラッキーなことにそうはならなかった。弟は新山口駅の近くの某企業に勤めており、そこの近くに借りている駐車場(この時初めて知った)を貸してくれると言うのだ。

弟の借りている駐車場から駅までは、700~800mほどの距離とのこと。そのぐらいの距離なら、歩いてもたかだか10分。しかも、駐車料金も要らないとあって、ダブルの喜びであった。

結局、思い描いたとおりにどうにかなったわけであるが、あそこで諦めていたら、マイナスのことしかイメージしなかったら、どうなっていたことか。

思いの力がどうのこうのとか、日頃の行いがどうのこうのとかよりも、絶望的な状況の中においてこそ、プラス的な発想が大切であるということを改めて感じた出来事であった。


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