救いの手

激務の真っ只中、毎日命をすり減らしているアホの末に救いの手が差し出されることになった。

これは、宴の席で私がアホの末の今回のことを面白がってネタにしたのがきっかけである。

救いの手の差し出し人は3人。

まず最初は変態小野。

もともと”アホの末さんに缶コーヒーを奢りたい!”と言っていた変態小野であるが、この度の災害による元の忙しい状態への振り戻しのことを可哀想に思い、缶コーヒーのみならず、サンドウィッチも付けることにしたようだ。

「アホの末さんに缶コーヒーとサンドウィッチを買ってあげてください!」と言って、私に500円をくれた。

次にマス岡田。

アホの末がヘヴィーメタルを好んで聞くということで、マスさん必殺のお気に入りCD(アホの末が気に入るとは限らないが。)を「アホの末さんに渡してください。」と言って私の家に持って来た。

何て優しい奴ら!

アホの末にこれらのものを手渡したら、涙を流して喜ぶことだろう。

ただしである。

家にも帰らないで、誰とも会うことが出来ない状態であるアホの末にどうやって、これらのものを手渡すのか?

こいつと会える状態になるまで待っていたら、来年になってしまう。

そこで、私が最後の救いの手の差し出し人として、それらのものをアホの末の職場まで持って行くことにした。

往復約2時間の時間と往復約1,000円のガソリン代はアホの末に対する私の奢り。

近々、驚かせるために事前に電話をかけることなく、いきなり職場を訪問する。

待っとれよ!


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