訪問
変態小野とマス岡田からの預かり物を携えて、某日の朝にアホの末の職場を訪問した。
ロビーでアホの末の携帯に電話をする。何度電話しても電話に出ない。おそらく会議中か電話中なのだろう。
それからしばらく待つも、アホの末から電話がかかってくる気配が無いので、しびれを切らした私はアホの末の所属である○○課まで行くことにした。
○○課は、ビルの11階。エレベーターでそこまで上がり、アホの末の職場を覗き込む。
思ったとおりアホの末は電話中であった。
受付の女性に伝言し、とりあえず職場の外でアホの末を待った。
待たされること20分余り。ようやく職場からアホの末が出て来た。
「お前どうしたん?!」と、アホの末は驚いた様子。
「お前のことを哀れむ後輩達から預かった物をわざわざ届けに来てやったのいや!」と、私。
そしてすぐさま変態小野からもらった金で買ったコーヒーとサンドウィッチ、それにマスさんから預かったCDを「変態小野とマスさんからや。」と言って渡した。
最初は”何のことか?”と、あっけに取られていたアホの末だが、しばらくして状況が飲み込めたのか、あまりもの嬉しさに泣き出してしまった。(本当か?)
いつも、”己さえ良ければ良い”という悪しき考えの塊のようなアホの末ではあっても、さすがに変態小野とマスさんのこの愛のある施しには感動したようであった。
何かしてやっても礼など言ったことのないこいつが、私が帰る間際に「変態小野とマス岡田によろしく言っておいてくれ!」と言ったのも、よほど他人の情けが身に染みたからであろう。
私は、アホの末のこの変化を驚きつつも”こいつがミジンコ程度ながらも人間らしくなった!”と、素直に喜んだ。
“わざわざ時間を割いてアホの末の職場に行った甲斐があった!”との充実の思いで帰路に着いたのだが、その思いも長くは続かなかった。
しばらく行ったところで気付いたのである。
“そう言えば、俺は預かり物を届けてやった礼を言われてねぇ!!”と。
やはりこいつ変わってねぇ!
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