双美食堂
双美食堂は、(ふたみしょくどうと読む)私が大学生の頃によく通った定食屋である。安い!美味い!量が多い!と三拍子揃ったことで、学生内では有名だった店だ。
定食メニューはざっと50種以上。最低は300円から最高は550円まで。唯一、ロースカツ定食のみが550円であったのだが、そこで飯を食うのは殆どが私を始めとする貧乏学生であったため、そんな高価なのを食う奴は見たことがなかった。
大抵の奴は、300円のバラカツ定食か350円の一口カツ定食を注文していたと思う。
私がいつも注文するのは、一口カツ定食か500円の唐揚げ定食であった。
ちなみに、ここの一口カツ定食の一口カツは鶏の胸肉で作られており、唐揚定食の唐揚は、唐揚とは名ばかりの鶏の胸肉の天ぷらである。
定食の内容は、大盛りごはんに塩辛い味噌汁、主菜の皿に少しのポテトサラダとキャベツの千切りが付いたものであった。
今思えば、めっちゃ美味いというほどのものでもなかったが、私はあの店の味がたまらなく好きだったし、今でも思い出す度に無性に食いたくなる。
そういう時は、どうにかして食えないものかと考える。
しかし、わざわざ350円や500円の定食のために、700㎞以上の距離を移動してそこまで行くのは不可能。また、何かの機会にと考えていたら、何年先のことになるか分からない。
そこで思った。料理には自信があるので、自分で作ってみようかと。
簡単な料理なので、再現はほぼ可能なはず。
これが成功すれば、双美食堂の味がいつでも家で味わえる。
さっそくやってみたろ!
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