別の見方

その方とお別れをすることになった。

その方とは、10年以上前から面識があるが、同じ職場になったのは初めてだった。

その方は、家の事は奥様に任せっきりで一切やらないという、現代では絶滅寸前の超亭主関白であると同時に、顔は恐いが同僚や若手の面倒を良く見るという非常に魅力的な方だ。

「人望」という言葉が一番当てはまるその方。

寂しいと思うのは私だけではないだろう。

今までも何度となく経験してきた、そしてこれからも多々経験するであろうこの「寂しい」という感情。

こんな感情無ければ良いのに!と思うこと度々だが、よく考えると、嫌いな者と別れてもそのような感情は湧いてこない。

逆に嬉しくなるであろう。

好きだからこそ、そのような感情が湧いてくるのだ。

そこで、寂しいという感情に捉われる前にその方に感謝してみるとしよう。

「こんな気持ちにさせてくださって有難うございます。」

「人間として必要な経験を積ませてくださって有難うございます。」と。

そう思うと別れも辛くなくなる。

たまには、違った見方をすることも必要だ。


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